Takechang の冗談半分 2 #09  1996/06/10 22:49

ちょっくらちょいとは行かなかった台湾

「ちょっくらちょいとおでかけ〜〜〜」つーのは数年前に一世を風靡したばんば氏のよめはん平山三紀の唄った台湾であるが……。これは実はぜんぜんちょっくらじゃなかったというお話である。

初めて台湾に行ったのはたしか92年ぐらいのことで,当時は PC-VAN のグローバルビレッジのために台湾のコンピュータショーの取材をした。その後 COMPUTEX(台湾コンピュータショー)には94年ぐらいまで行っている。昨年はごたごたで行けなかったから,今年は復帰しようと意気込んでいた。

CETRA

CETRA(China External Trade Development Council)からも,「またきてね」の FAX やら手紙,小包(良く判らないが,バックパックのようなやつに COMPUTEX と書き込んだものをもらった)などいっぱいもらった。

いま,台湾メーカーは日本のパーソナルコンピュータメーカーへの OEM や一部供給などで有卦に入っており,さらに攻勢を強めようとしているようだ。

でもって,CETRA は早い話台湾の国家機関であり,昔の日本の MITI(通産省)のように国をあげての売り込みに懸命なのである。

つーことで,3月ごろにはいつもの旅行社に航空券を手配し,デジタル写真やデザイン関係の助っ人の友人にもご出座を要請し,ごくフツーにご旅行の準備を進めていたのである。

で,COMPUTEX の始まった6月6日(本当は5日にプレスパーティをやるという案内が来ていたが,コスト高になるので,これには参加しないつもりだった。ちなみに COMDEX などでは,必ずプレスのパーティがあるが,COMPUTEX では初めてのことだったと思う),ノートパソコン=持った,デジタルカメラ=持った,銀塩カメラ=持った,スーツ=持った,と点検して意気揚々と?成田に向かったのである。

途中,新宿でデザイン関係の友人R氏と落ち合い,正しいビンボー人旅行コースで,上野から,京成の単なる特急(これは,成田空港まで980円で,いちばん安い成田までの公共交通機関である。JR の成田エクスプレスは2000円以上するし,京成でもスカイライナーは1600円する。で,これらがちゃんとした一人用のシートにくらべ,べ,べべんちしーとだし,ある程度遅い。しかし,スカイライナーよりせいぜい10分遅れぐらいだし,何より本来は地元の人の生活電車なので,いろいろ見れるのだ)に乗って,成田へと向かった。

つい千葉のじょしこーせーはすでにれいの中国ブタの皮膚の長靴下をはいてなくて,でもスカートはミニだとか,男のこのほうは,どういうわけか,めいっぱいズボンが下がっているとかを愛用のデジタルカマラ QV-10 で激写したりなんかして,このあたりはごくフツーの旅行者だったのである。

ただ1つ違ってしまったのは,Takechang は Wizard だったのです,というわけではなく,ツアーのチケット売店にいってからだ。

まず,R氏が「お客さん,パスポートの名前と航空券の名前が違いますねえ」とやられた。R氏は幼少のみぎり,名前の読みを訓読みだかにしていて,長じてから自分で音読みに変えたらしい。ま,ヒトの名前なんて普段はあんまり気にするもんじゃないんで,僕もこのときまで気にしてなかった。

漢字は変わってない訳だから,日本の戸籍システム上はなんと読もうが,それこそせいこと読もうがアムラーと読もうが勝手なのだが,まずい事にそのままではガイジンには読めない。そこで,パスポートはローマ字で書いてあるわけだ。航空券もローマ字で,要するにオリジナルが何であろうがこの2つの整合性が要求される。というわけで,北西航空はこの2つが整合しないと乗せないって内規があるのである。

「でー〜〜〜」と言っていたところに,追い打ちをかけるように受付嬢は言ったのだ。「こっちのお客さんは,ビザ取ってないですよねえ。」すかさず,ちょっと知識人の私は「だって,帰りの航空券あればいいんじゃ……」と言いかけると,「その場合はですね,パスポート残が6カ月いるんですが,お客さんのは3カ月。飛行機には乗れますけど,入国できませんよお」などと言うのである。

で,どこかに確認に行き,「やっぱり,出発しても必ず帰されますから,お乗せしないようにという……」などと言われてしまったのである。

まとめると,つまり,1人は飛行機に乗れず(R氏は今回パスポートを取ったのでイミグレイションは文句言わない),1人は入国できず(飛行機は OK)というデコボココンビだったのである。

一応,旅行社にも確認したが(旅行社の男も高校時代の友人であり,R氏は「名前がちがうなんて反則」で,僕は「何度も行っているんだから当然知っていると思って」双方にパスポートの確認をしなかったのである),要するに当然どうもならない。

「ビザを申請すれば月曜には飛べるけど……」というが月曜に終わる COMPUTEX に月曜発しかも夜の便で行ったのではそれこそ台湾でまた笑われるだけである。

ということで,今回の COMPUTEX Taipei 行きはなんともしまらない,全特派員討ち死にで,あっけなく成田で終わったのだった。

後日,CETRA から Official Preview なる冊子が届いた。

そこには,いろいろの情報があり,Visa の項として

Normally, visitors to Taiwan have to apply for a visa at one of the country's representative offices abroad. However a visa-free entry program is currently in effect for citizens of Australia, Austria, Belgium, Canada, Germany, France, Japan, Luxenberg, the Netherlands, New Zealand, Spain, Sweden, United Kingdom, Portugal, and United States. Citizens of those countries with passports valid for six months can now enter Taiwan without a visa for a stay of up to 14 days. This period cannot be extended.

などとかかれていたのであった。

もー,Preview を終わりの日に送るなつーの。

Takechang の冗談半分 2 #09  1996/06/10 22:49