Takechang の冗談半分 2 #13  1996/06/16 01:59

たけしと自民党

たけしとは,ビートたけしのことであるが,先日のテレビ朝日系列の番組,TVタックルで,たけし,大竹まこと,ヒロミらが参議院無用論的な発言をした事に対して,「11日の参議院自民党執行部会で(放送は10日夜),真鍋賢二議員から,『昨夜の10チャネルのビートたけしの番組の中で,参議院無用論や橋本聖子議員のオリンピック出場について,聞くに耐えない暴言があったので対応してほしい』との発言があった」ということで,これを受けて参議院自民党の村上正邦幹事長がテレビ朝日に対し抗議し,テレビ朝日側が見解書を提出すると,「『謝罪の表現がない』として納得せず,『党の正式な機関でテレビ朝日の責任を追求する』」と発表した(以上カギかっこ内朝日新聞より引用)。

この例にも見るように最近,政治の報道や放送に対する介入が頻繁に行われている。

先日のTBS問題などでも,許認可権(放送事業は,郵政省が管轄官庁であり,許認可および監督権限をもつ)を笠に,強圧的な発言がめだつのである。

今回のテレ朝問題でも,言い方そのものはたけしの例の調子に加えて大竹まことであるから,権力者連中がムカっとするのも分からないではないが,だから制裁を加えるというのでは,まるでミャンマー軍事政権であり,こんなところでも日本という国はまともな法治国家とは言えないんではないか,という気がする。

また,テレ朝側の示した「諸議員にTVタックルにご出演いただき,論じあっていただきたい」という対応は非常に妥当なものであると思う。なのに,議員たちは「『そういう連中と出演などと,議員の品位をそこまで落としたくない』」そうだ。

自民党のなんたら委員会などという密室で,議員達だけで話を決めるなどということより,その方が明らかに国民が納得する目があるのではないか。

今回のこの姿勢は,公僕であるはずの(これはしかし,ほとんど死語のようで,困ったものである)議員が,権威を笠にきていて,非常に憤りを感じる。

また,たけしの発言には(お笑い番組だというが)実はぼくは共感するものがある。いわく,「参議院は立候補なしで,好きな奴を書くという選挙がいい」など。これなんかは,職業政治家は死活問題だからそりゃおこるってな話だが,でも,ぼくもそれなら選挙に行くかも知れないと思う。

選挙権があるのはもう20年近いが,その間国政選挙に投票したのは1回だけである。土井委員長時代の社会党,村沢議員に投票した。何か変わる,変えてくれるかも知れないという,期待を抱かせるものがあったからである。

現実には何も変わらず,それは結果論としてしかたないとしても,変える努力というものがまったく見られなかった。なんと,彼はこの任期中に国会で一度も発言してない。それどころか,その後の社会党は政権ほしさに自民党とつるむことまでした。これで,ぼくは職業政治家というものはダメだ,という意識を強くしたのである。

橋本聖子問題にしても,別に侮辱ではなかろう。結局彼女の実力がある程度以上あるから,しかたない面もあるが,なぜああまでしてオリンピック連続出場にこだわるのか。

あれだけ,回数を出たならたとえ若干実力が劣っても若い人を出すべきじゃないんだろうか。自分の記録さえのばせればいいんだろうか。

三権分立というけれども,実は彼らと行政とは一体であるような今の状態で,言論弾圧のような事を繰り返せば,ますます職業政治家に対する不信感は募るばかりである。

Takechang の冗談半分 2 #13  1996/06/16 01:59