Takechang の冗談半分 #002  92/ 2/27 22:42

MAC Expoの2

日本にもいろいろなコンベンションがあるが,MACW Expoの特徴はどんなものだろう。

規模:幕張の3/8しか使っていないから,それほど大きな規模のコンベンションとはいえない。
(CIPSという会社で売っていたMACW Expo検索用のハイパーカードスタックによれば,182社が参加となっていた。)

参加者:
これは,エレショー,DSBSなどよりスーツ姿のおっさんの比率が下がりラフな格好の人(必ずしも若いとは言えない),女性(これも,ジーンズなどきらくな格好が多い)が増えている。

Macそのものの客層が,スーツを着てくる人より,スーツを着ない人,デザイナとか自由業,学生といったところに寄っているせいか? あと,日本人以外も多いが,いわゆる外人と一目で分かる外人(白人など)が多くて,アジア系などの人は比較的少ないようだった。
(普通,ESなどは韓国や台湾の人がすごく多いから,これはこのショーの特徴になると思う。よく分からないが,アジア諸国ではMacのシェアが低いのか,逆にMacを日本くんだりににみにきてもしょうがないということなのか,その辺りの知識は僕にはない。)

内容:
概観:Macという単一の機種?に関するソフト及び周辺機器のショーというわけで,どうしても種類の絶対数は少ないし,RasterOps社やSuperMac社などの,もともとの製造者以外に販売店がいくつか出ていたりという具合で,品目のダブリが多い(同じプリントショップのデモを数カ所でやっていたりする)。

また,ステップ,T-ZONE,ソフマップなど販売店がかなり広いブースを占め,展示即売をやっているのもちょっと特徴的だ(ただし,Apple製品については,会場では販売しないよう,Appleからお達しがあったとかで,ステップなど天井までMacを積み上げているにもかかわらず,予約のみの受け付けを行っていた)。それから,アップルマークがはいったりする,用品類の販売も多い。
(98のTシャツだの,マグカップなんてものはないのではないか? IBMでもあんまりはないのかな? COMDEXの感じではそんな気がした。だとすると,アメリカ,日本ということではなくて,これはMac文化の特別なところだろうか。)

QuickTime

QT:あと,注目のQTであるが,システム7の日本語化ができていないせいか,正式に発売されて間もないためか,それほど多くが対応しているわけではないように思えた。むしろ,従来からの各ビデオボードメーカ独自の方式による静止画と動画の混在などの例が多いようだった。
(SFOのExpoのレポートにある,WordPerfect2.1の日本語版も発売されており,たしかにQT対応とはなっていたけれど,デモをする人が使い方を知らなくてうまく動かなかった,という程度。)

実際,動いている状態のQTとしてはアップルブースでみせていた,ウインドウの端にビデオのウインドウを開いてABCニュースを見せるやつぐらいな感じがした。動きは秒15コマとビデオの1/2しか絵が無いのでちょっとぎくしゃした感じが目に付くようだ。解像度もちょっとあまいが,3倍モードのVHSと思えばまあ見られる。QTは68020以上のプロセッサををそなえるカラーMacならば,動画,静止画をあつかうことができるように,というコンセプトだから,いまのところ処理能力上,このあたりは仕方が無いのだろう(逆に,プロセッサの能力が上がりさえすれば,まともにビデオ対応も可能になってくると思われる)。

でも,いまだに半分以上のMacユーザはモノクロMacではないか? ということは,なりものいりで登場したQTはうまく使えまい。「高い方のMacに買い換えればいい」というのでは,ウィンドウズベースのマルチメディアと(少なくもコストでは)変わらなくなってしまうのではないだろうか。使い勝手などで,「それでもやっぱりMac」となるのかどうか,これからの見ものだと思う。

あとMac関連のはずなのに,結構あちこちでNeXTやNEWSなどが動いていた。一番多いケースはネットワーク関連の展示だったが,NeXTは当然,NEWSにしてからが,超高解像度に立体感のあるアイコンを採用したGUIになっており,なんだかMacよりかっこいい。

この辺りの対抗策もどう考えているのだろう。

クアドラで68040を積んでみたものの,RISC化しているワークステーション相手に,コストパフォーマンスはちょっときびしかろう。

「それでもMacが好き」という,まるで筋金入りのスバル党みたいな人は多いと踏んでいるのだろうか?

CD:ソフト入りCDを売るお店は結構多かった。とはいえ,アプリケーションはおおむね辞典類か画像データ(映像が始まるときの例によってアダルトものも多い)といった感じ。値段はおおむね1万円以下で,辞典類でも2〜3万円と思ったより安い。

ドライブも10万円を切る値段で売られているものもあり(ただし,ショー特別価格だけかもしれないが……)案外手の届くところに来ている感じだ。
(でも,まだ高い感じ。よく知らないが,基本的に同じはずの音楽用CDプレーヤが2万円位で売られているところからすれば,もっと安くてもいいのではないだろうか。)

SONYの電子ブックもあり,データ容量は200MBと3.5インチMOよりも+80%ほど容量が多いうえ,ソフト代も意識的に押さえられていて,辞書類なども紙のとあまりかわらない値段になっている。

ただ,全検索をかけた場合はやはりレスポンスが相当気になる。しばらく待っていないと表示されない。ちょっといらつく。

3.5インチCDではその点,SCSIだから,2〜3秒以内にはレスポンスがあり,このぐらいなら主観的には許せる感じだ。

電子ブックもCD部分そのものは3.5インチと変わらないだろうから,やっぱりインターフェイスがRS232であるところが問題ではないか。SCSIインターフェイス版の登場を期待したい。

その他:プリントショップをペインターと一緒に使って,壁の絵柄をペイントしたり,Tシャツに直接絵を描いたりというのは,Macならではのアプリかもしれない(あちこちでデモあり)。

あと,同じように,Mac上で作成した絵柄で直接ワッペンに刺しゅうしてしまうのを西武百貨店がデモしていた(メカ部分はアイシン精機製)。それから,画像関係でいうと,NACという画像処理の会社から,ハイビジョン用のデジタル画像処理システムを参考出品していた。

1920*1035ドットのハイビジョン静止画像を5インチMOで3000コマ収録できる(600MBで3000コマだから,1コマ200KBしか食っていない。24ビット色データとすれば,ナマの状態では約5.9MBのはずだから30倍近く圧縮がかかっているらしい。それでいて,素人目には画質の劣化はまったくわからない)。これはものすごくきれい。

あと,NovellのNetWare for Macintosh 日本語版もそろそろリリースされるらしく,デモが動いていた。

それでもって:そろそろ,ウチにあるような2MBの68000,9インチモノクロスクリーンというようなスペックではやっとOSが立ち上がるだけで,アプリなんぞは動かないという事態になりつつある(SweetJAMでさえ,そうなってしまった……)。

SweetJAM (A&A Co.,ltd.)

軽いSystem6以前に,同じく軽い日本語FEPのSweetJAM 3.5を乗せて,Sidekickでも使っているか?

Macintosh IIci

それとも,奮起してciに8/200MB,RasterOpsの24ビットカード,21インチのモニタで,QTを楽しむのか?

僕の場合は資金力から,残念ながら時代は変わっても,どうも前者しかやりようがない。でも,例によって,その外といったって,通信ソフトとエディタしか必要としてないから,どうってことないのもまたたしかなのだ。

TAKECHANG

Takechang の冗談半分 #002  92/ 2/27 22:42