Takechang の冗談半分 #040  92/ 4/17 8:25

ポルシェ

なんだか,ぼくは,パソコンカンケーよりか,クルマカンケーを書いているほうが多くなってきているような気もする。今回もまた,である。

思えば,子どもの頃からクルマはおトモダチだったのである。

F1なんて話は当時分からなかった。

でも,日本のモータリゼーションも黎明期。柏戸が乗って宣伝した,初代スバルとか(そう,あのまねっこワーゲンのスバルである。寸法とか,こまかいメカニズム以外,まったくワーゲンのまねであった。エンジンは4サイクル360ccでは力が出ず,2サイクルだった),ミニカ(三菱の,今に続く軽のミニカである),マツダのキャロル(最近,この名前は復活している。当時はUFO型のへんてこりんなやつだった)なんていう,軽自動車があればいいほうだった。

ウチは当時も(今も)ビンボーだったから,親父は55ccのスーパーカブに乗っていた。これは50ccだと2人乗りできないから,5ccふやして,2人乗りできるようにしたやつだ。
(実際は,補助イスのようなやつを付けて,兄貴がハンドルとシートの間に乗り,母が荷台に乗って,その背中には僕がくくりつけられている,という,まるで今の東南アジア式の状況だった。)

その頃でも,僕は新聞の広告などを元に独自の切抜き帳を持っていて,ほとんど,日本で生産されている全てのクルマ(それは,ダイハツミゼットだの,マツダR360だの,っていう軽三輪トラックや,トヨタ・トヨエースなんてトラックも含みである)を覚えていた。

外車っていうと,どうも,そのころからアメ車はあんまり宣伝もなかったようで?,ワーゲンビートルや,日野がライセンス生産していたルノー(日野自動車はいまではトヨタグループのトラック企業であるが,40年代くらいまでは乗用車も作っていた。ミラノデザインのコンテッサなんてのは,貴婦人と呼ばれたぐらいの奇麗なフォルムだったのだ),いすゞがライセンスしていた,ヒルマンミンクスとかぐらいしか記憶にない。

そのころから,ポルシェはあのジェームス・ディーンの356SSから,911系に変わっていたはずなのであるが,当時余りの高価に,庶民のコドモである私の目にふれることはなかったのだろう。
(やや,やっぱり356って書いてしまった。どうも,よく見掛けるジェームス・ディーンの写真は356と一緒だから。でも,亡くなったとき,ディーンが乗っていたのは,550Spiderだったんでした。)

PORSCHE

その,ご存じ,ポルシェだけど,超高級スポーツカーとして長いこと君臨していた。

ところが,アメリカの景気がおかしくなった今,もろにその影響を受け,生産数量は最盛期1986年の半分に激減してしまった。

そこで,昨年あたりから,ポルシェ危機説が流れているのである。

ほとんど手作り。超高級を売り物にやってきたポルシェであるが,こと,一般人の発揮できる80%の性能ならば,日本のマネポルシェ=RX-7であるとか,三菱GTO(こいつはマネ フェラーリ?)であるとかが半分か1/3の値段で出せるようになってきた。

本格スポーツカーとしても,ホンダのNSXなどが台頭しつつある。

つまりここでも,日本の企業が,長い伝統の小企業の経営を圧迫しているのである。

これは,過去には同じドイツの名門光学機器メーカ,ライカが日本勢の前に破れて行ったのと同じ歴史である。

やっぱり,「売れりゃーえらいんだ」ってだけはまずいようだ。

買う人の方はやっぱり値段と性能比を考えるから,安くて性能がよければ,手を出してしまう。

でも,作っている,売っている人にも生活があるのだ。これを叩き潰してしまって良い感情が残るわけがない。あるときはお客さまも,あるときは対抗業者。

そこのところを考えない,いままでの強気一方のやりかたでは限界に来ている。

まあ,いまさら販売を控えるわけにも行かない,なら,たとえば,ポルシェのティプトロニックトランスミッションを高く買って,NSXやRX-7に採用する等の方法で,ポルシェの営業に寄与するなんてのはできないのだろうか。

ベンツにしても,アメリカの販売はトヨタ・レクサスにやられてしまっている。摩擦は対アメリカだけではない。まわりの皆の事も考えないと,長くは続くまい。

というようなことをやっているのはだいたい日本企業であるが,業界によっては逆のもあるんだ,というのを知った。

腕時計のムーブメント(中身の機械部分。ホンコンなどでは,これを購入して,いろいろなデザインのケースに入れて売る商売が盛んなのである)市場。

ここは元来,日本のシチズンや,セイコーが寡占している市場だった。各社にとって,売り上げ数量の70%程度を上げるドル箱であった。

ここに,スイスのSMH連合が低価格を武器に殴り込みをかけているのだという。まあ,もともと時計はスイスのお家芸だったのを日本メーカがうばったのだからどっちもどっちの感もあるが,今や,価格維持を計りたい日本メーカと,価格を崩してもシェア取りに走るスイスメーカの戦いがドロ沼状況になってきているそうである。

こういうところからは,問題は日本人のみにあらず?かもしれないような気もする? じゃあ,なんで日本人だけが問題にされるのでしょうか?

TAKECHANG

Takechang の冗談半分 #040  92/ 4/17 8:25