Takechang の冗談半分 #185  92/10/18 21: 8

秋の日

長野では紅葉も進んで,行楽と稲刈りのシーズンである。

僕も去年までは稲作代行(父がやっていることになっているのだが,実態はほぼ農協がやっており,節目の作業等の時は僕が手伝いにいく方式)でこの時期,土日は結構忙しかったハズだが,今年からは稲作農家機能を停止(貸し地にしている)したので,特になんのこともない。

この前は僕の住んでいる町に誕生した町営温泉旅館について書いたが,10月からは父の住んでいる隣町でも同じく温泉旅館がオープン。

これ以外にも,幾つかの近隣の町や村で同じ企画が進んでいるらしい。

ボーリング技術の進歩と,竹下内閣のばらまいた1億円のせいで,15年前にはまったく温泉がなかった伊那の谷がやたらと温泉だらけになったわけだ。

といっても,もともと自噴しているようなところではないので,ボーリングした井戸のポンプ能力がすべて。せいぜい,1軒の公営温泉を賄うのがせいいっぱいというところで,温泉街となるほどのところはない(せいぜい,中央道の恵那山トンネル工事で堀り当てられた昼神温泉くらいだ)。

湯量と共に温度も実はみなかなりぎりぎりの温泉である。だいたい,地熱というのは30〜40mで1度という傾斜で上がっていくわけで,地表に近い井戸がだいたい12〜13度のこのあたりでは,温泉になるためにはあと12〜13度稼げばいいわけで,おおむね500m以上掘って25度以上の水(湯)がでれば,晴れて温泉となるわけ。「オラが町」温泉いっちょあがり,である。

僕の住む町ではこの極楽温泉計画はちょっと失敗して,1度Cたりず,惜しいところで温泉になりそこねてしまったけど,ここでは大丈夫,温泉になっていた。

能書きも僕の町のでは単純温泉なのだが,ここではラジウム鉱泉である。なんだか知らないが,能書きが多いほうがありがたい感じがする。

ここの湯を利用して,手術後のリハビリをする民間病院の施設もできた,となればなんとなくよさそーな感じがする。

ということで,両親,その弟夫婦(つまりおじ)と年寄り軍団の運転手となってオラが町温泉探訪第2弾に出掛けてみた。

このあたりの中央高速を通った方は思いだしてみていただきたいが,高速は人家がとだえる山付けにある。この温泉はそのさらに上。

サイクリングターミナル 湯ケ洞

急造の取り付け道路が,果樹園の真ん中を通っている。そのつきあたりがめざす「サイクリングターミナル 湯ケ洞」である。駐車場は7分の入り。すでにカラオケで盛り上がっている(昼2時)グループがある。

温泉に入るだけ……と思ったのだが,なんと予約無しはダメといわれてしまった。すべての施設利用は予約制であるとのこと。

外来者の利用は宿泊者にくらべて,食堂,喫茶は11時から14時まで,風呂は11時から20時まで,と制限されているうえにこのシウチ。

日曜日で比較的混んでいたこともあるのだろうが,どうもお役所仕事をそのまま公営温泉に持ち込んできた感じだ。

そのうえ,細かいことをつくようだが,露天風呂つき大浴場の(ま,鉱泉であるが)僕の町のは350円の入浴料に対し,ここは400円。たしかに,こっちはラジウム温泉ではあるが,風呂は小さい。

ということで,ここは「オラが温泉」にしてはサービス精神に欠ける。たしかに,泊りで遠くから来る人が予約なし,ってことはないだろうから,温泉で収益を上げる意味ではこれでいいのかもしれないが「オラが町の」と頭に振るにしては???である。

あと,サイクリング・ターミナルと名前が付いているので,レンタサイクルなどの装備もあるらしい。たしかにサイクリングははやっているが,ここは基本的に谷間であり,サイクリングに適した(平らな)道路はあまりない。

ということで,どうも,お役所が急にサービス業に変身しようとしても,やっぱし出てしまった馬の脚という感じである。

「ここは星はヤレネーな」と思ってしまった。

ちなみに,我が町のは,利用制度についてはフリー利用可でマル,設備もマル,食事がしょっぱいのが弱点。露天風呂は上の青年の家行きの道路から見える。そういうのが好きな人にはマル?

ということで,食事がいま一つだが,自分の町なのに免じて星1つをあげよう。

TAKECHANG

Takechang の冗談半分 #185  92/10/18 21: 8