Takechang の冗談半分 #223  92/11/18 12:12

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マルチメディア

今日は,Bally's Casino Resortで行われているマルチメディアの展示を見に出かけた。

出かける前に帰りの飛行機のリコンファメーションをしなくてはいけない。やっぱり,朝のホテルの電話はかかりにくい。貴社の記者やら,展示関係者やら,やたらと電話をかけまくっているのだろう。

仕方がないので,またもセルラーを使った。この前書き忘れたけど,このセルラーを借りるには1台あたり$500のデボジットが必要だ。非常に高額であるが,要するに持ち逃げされた時の保険ということで,セルラーを返せば全額戻ってくる。

LAのシンガポール航空オフィスにはなかなかつながらなかった。まず,旅行社で教えてくれた番号はまったくのまちがいで,つながらない。仕方がないので電話帳のイエローページで探した(ここでしらべた番号の方が,1-800番なので,お金がかからなかった,結局)。セルラーの使い方が分からなかったり(ロングディスタンスは最初に1を押す必要があると分かった),先方が混んでいてつながらなかったりすったもんだの末,ようやくつながった。

朝,起きるのもちょっと遅かったし,約11時のご出勤である。

メイン会場のラスベガス・コンベンションセンターから専用のシャトルバス(これが,日本でいうと,高速バスの仕様で,最後部にはちゃんとトイレがついている。普段は観光バスかなんかで使われているのだろう)が出ている。

Bally's Las Vegas Hotel Casino Resort

これに揺られて約10分,Bally'sに着いた。ここのイベントホールも,例によってスロットマシンとルーレット台の林を抜けた先にある。ヒルトンなどは天井も高いし,いかにもコンベンションといった作りであるが,ここは比較的せまい2つのホールをつなげたのがメイン会場。

ほかに,IBMやS3(Windows用アクセラレータのメーカ)などが別室に狭いブースをもうけている。

廊下などは完全にラスベガスの雰囲気で暗い。会場に一歩踏み込むと,そこはFM音源とグラフィックスの嵐だった。さすがに,マルチメディアといったら,ビデオとサウンドであるから,このデジタルサウンドをぬきには出来まい(が,TVゲームサウンドのウズはちょっとこたえた。好きな人にはたまらないかも)。

マルチメディアの世界の特徴について,CD-ROMとFM音源のことはすでに書いたが,もう1つある。

グラフィックスの必要から,ほとんどすべてデスクトップの世界なのである。モニタもやはり17インチ以上,グラフィックスもSVGA 1024*768 といった所になるようだ。これはまだフラットパネルではめちゃくちゃ高価で使えない領域である。

ビデオ信号(またはテレビ)をデジタル処理して使うのでは,色数は32000色とかだが,解像度は640*480とかのも多い。

しかし,デジタイズの関係で時間がかかるため,ものによっては解像度があまくなって,「四角が動く(解像度不足なので,1ドットが目に見える1〜2mm角の大きさ)」状態だったり,フルモーションといいながら1秒間に20フレームしか出なかったり(ビデオは30フレーム必要)あるいは色数が256色だったりする。

このあたりはハードウエアがまだちょっと追いついていない部分なのだろう。しかし,高価なやつでは,色数は1600万色,フルモーション30フレームなどというのもあって,これならば単なるTVに勝る。

こういうのは,大抵Win上で動くので,Winの解像度を1024*768とかしてやれば,ビデオのウインドウをはじに置いてCNNを見ながらWord for Winで原稿を書く,などというのも可能になる。

あと,サウンドブラスターなどの音源。僕は音については「出ればいい」程度しか考えていないので,詳しく調べなかったのだが,これも多くの会社が扱っていた。

というようなところが,マルチメディアのハード関係である。日本でのリポートのように会社名などが出ないって?

ほとんど,知らないようなベンチャーばっかなのである。やはり台湾系がいちばん多いが,アメリカの会社も多い。

IBMやTANDY,Commodoreといった有名どころの総合メーカとか,サウンドブラスター(FM音源),メディアラボ(マリチメディアキットで有名。しかしこれなどはまだベンチャーの部類だろう)などの名前の分かるところはほんの一握り。あとは,全然しらないところが,2畳位のブースに表示ボード数枚,PCが1〜2台といったところで勝負をかけている。

こういうところは,なんとか食い込もうと思っているから,意気込みが違う。プレスのバッジなんかをつけていると,すぐにスリ寄ってくる。「プレスキットもってってください。」「サンプルあげます。」「何でも説明しますよ。」ぼくのヘタクソな英語でもなんとか聞きわけて話そうとする。なんか,けなげである。「がんばってね,あんちゃん。」思わず,リゲインかなんかをあげたくなってしまうのだった。

TAKECHANG

Takechang の冗談半分 #223  92/11/18 12:12