Takechang の冗談半分 #256  92/12/17 20:49

久々にMacを使ってみた

ずいぶん昔に128KのMacを2MBのPlus相当にでっち上げるということをやったことがある。あのころは,パソコンって高かったなあ。

なんせ,Macを2MBにするには,1MビットのDRAMが16個必要だ。で,たしか,最初は1個4〜5000円くらいしたのではないだろうか。

僕は,これが2000円台になってチップを購入することができた。HDDも高かった。たしか,NECのD3841(40MBのSCSI HDD単体)が5万円ぐらいはしたのじゃなかったか。

というわけで,最終的にはどうやら20万円近くをつぎ込んでMacがでっちあげられたことになったのだと思う。
(いまなら,4MBメモリと80MB HDDの付いたクラシック2がステップで165000円である。)

その後,DOS/Vシフト?などもあり長らくこのMacにはさわる事がなかった。

ところで,最近,オソロシーことにこのMacの出番がまた来てしまったのである。

事の起こりは,あるプロジェクト作業の立案である。なんだかしらないが,どこかのコンサルタント会社かなんかから吹き込まれて来た上役が,「立案にPERTを使え」と言い出した。

PERTというのは,建設業界,造船などの関連の方はよくご存じだと思う。

1950年代にアメリカ海軍がポラリス原子力潜水艦および,ポラリスミサイルの建造プロジェクトの推進のために考えだしたプロジェクト管理手法である。

ある時期に必要な仕事に必要な時間,人,金などの割り振り,どの仕事が終わらなければこっちの仕事にはかかれない,されば,こっちの仕事は一番早くていつかかれるか。

で,最終的にはこのプロジェクトはいつ終わるのか,あるいはXX日までに終わらせる必要があるから,この仕事はいつまでに終わる必要があるのか,といったようなことを効率よく進められる手法である,というわけだ。

ただ,プロジェクトというくらいで相当長期間にわたる訳だし,XX日かかるとかいっても,間に休日があったり,単純に土日は休みというだけではなかったりして日程やら作業量の計算というのも相当に煩雑なのである。

自慢じゃないが,いままでにそんなことをやったことがあるなら文句なんて無いわけで,おまけにあさってまでにやれ,とかいう要求である。

とても手でなんかやりたい作業ではない。最低でも表計算ソフトでも使ってなければたまったものではない。

MacProject

と思っていたらクラリス社からその名もMacプロジェクトというぴったしPERTを使うためのプログラムが出ていることがわかった(日本ではシステムソフトから発売)。

それはいいが,急なことでMacの手配がつかない。というわけでむかしなつかしのでっちあげMacが登場することになったのである。

ところでこのソフトはフリーエリアが2MB以上を推奨ということになっている。でも,実際にはあるメモリ全部でも2MB。

これがSIMMとかでついている訳ではないから,おいそれと増設というわけにはいかないのだ。じゃ,どうするか。

この辺は「ムカキネ(ムカシトッタキネヅカ)」なところなのだが,これまたむかしなつかしのスイートジャム3.5を使った。

これの前身は128KのMacでなんとか日本語を!と考えられたということで,サイズが非常にちいさい。僕は長らく512KのMac,それもHDDもないやつでこれを使って通信などをやっていたことがある。

弱点はほぼ単文節の漢字変換!なことと,フォントがろくなものじゃないことだが,このさい文句は言えない。

で,ソフト入手,ハードでっちあげ,ドロナワのPERT作戦が始まった。

PERTそのものは昔研修などでやったから手口は知っていたが,ソフトはいきなり使いはじめ半日でとにかく最初の図を出力しなくてはいけない。

マニュアルなんて読んでいる暇が無い。

ところがこれが意外と簡単に使えるのである。

Macのお作法の一般知識が若干いるものの,ほぼ普通に紙にかく感覚でいい。かえって,日本語変換のスイートジャムの起動方法(Option+QとかWとか)を忘れてなかなか使えなかったというくらい。

約2年近いプロジェクトなのでかなりなタスク数にのぼったが,なんとか1日ででっちあげることができた。もちろん,最終日程にあわせるために途中の日程の切り詰めやらがいっぱいあったのだが,それも問題なくこなしてくれた。

一口にGUIというけれど,最近のWinに慣れた感覚からしてもこれは分かりやすさでは段違いである。

Winではどうみても,とてもこんな具合にマウスだけで操作は出来ないように思う。カラーという差はあるものの,これだけの図のサイズのものが2MBで使えるMacと,4MBあってもなんとか動かせるだけのWinとは差があるように思う。

それどころか128K時代の基板なので,8MHzの68000プロセッサでしかないから,動作速度という点ではほめられたものではないけど,とにかくこういうのだとWinとでは動くと動かないの差があるかもしれない。

「MacソフトぞくぞくWinに移植」なんて話も目にするが,やっぱりWinの使い勝手はMacには届いていないなあと改めて思った。

Winさえあれば,Macなんてもーいらない,と思いかけていたけど,Macのよさというのをまた思い直してしまったのであった。

TAKECHANG 竹中

Takechang の冗談半分 #256  92/12/17 20:49