Takechang の冗談半分 #304  93/ 2/20 2:21

ちょっくら>
いきなり不幸だい!

これが台湾第1声である。

まあ,最初からろくな事がなかった。まず,NW航空は到着便が遅れたので,アオリを食らって出発も遅れた。で30分ほどして搭乗が始まったのだが,僕の前でいきなりアセりまくったスチュワーデスがカウンターの男に小声で話しているのをヌスミ聞くと,「機内がブラックアウト(電気がきれて真っ暗)していて動けない」と言っているではないか。

なんだんだよー,と待つ事しばし。電源は復旧し機内へ。これで約1時間の遅れである。

なんだか機内はやたらに暗いので,読書灯を点けようとしたら切れている。となりの女性のも切れているらしく,スチュワーデスに頼んだ。

来たスチュワーデスは完全に台湾人と思っているらしく,ちょっと点検すると中国語でなんかまくしたてて去る。

隣の人は分かっているようだし,さっき英字紙を見ていたから中国語と英語OKと踏んで,「あのお,いまスチュワーデスはなんて言ったんでしょうか……」なんてことを聞いてみる。ちょっとけげんそうな顔をするが,「僕,日本人なんで,中国語は分からないもんで,説明してもらえませんか……」とオネガイすると,納得して,「この場では直らないそうです,何かメインパネルをいじらないといけないらしい」と説明してくれた。

しばらく暗い中でやる事もなく過ごしているといきなり読書灯が点いた。隣の男が英語で「ははは,直ったじゃない」などと話しかけてくる。この人も台湾人で,アメリカに会社のセミナーで行った帰りなのだとか。

ところで,NW機は機内紙にBYTEが置いてあった。これって,全日空でASCIIが置いてあるという感じかな,やっぱりアメリカの場合はPCに対する一般大衆の関心が高いということなのだろうか。

いろいろ特集はあるのだが,CD-ROMそれもフォトCDのようなCD-R(Recordable)ディスクを使った,Do It Yourself Publishing に焦点をあてているのに興味を持った。

つまり,CD-ROMだとプレス型を作らなければいけないので,大量生産の場合には1枚あたりのコストは安いが,小量の場合でも数百枚とか作らないとペイしない。

そこへいくとCD-Rディスクは1枚でも安く作れて小量出版向きなのだとか。ま,その極端な例の1つとして今人気急上昇なのがフォトCDなのである。

出版も出版社が利益追求のために大部数のねらえるものしかやらなくなっており,小部数出版ならば紙の本を作るよりCD-R出版の方が安いのだそうだ。

なるほどねー,などといっているうち早タイペイ国際空港着。4時間弱のフライトだから,まるっきり国内で高速を走ってるのとどっこいの時間だ。

で,空港も何事もなく通過。バスで台北に行くか,タクシーか,というので迷ったのだが,つい「たいしたことはないだろう」とタクシー乗り場に行ってしまったのが運のつき。

タクシーは出払っていて,なかなか来ない。そこに登場した白タクのあんちゃん。「タイペイ?」「おー,XXホテル,シッテル,シッテル,イコウ,イコウ!」というわけで調子良く引っ張られてしまった。

行く途中から,「うん,いまワシ,白タクのエジキになってるわけね」というのは自覚していたわけだが,ここで戻ってしまうとシロタクのなんたるかがつかめない,という職業意識が出て?ついそのまま行ってしまった。

自家用車用駐車スペースに連れて行かれる。引っ張ってきたあんちゃんは呼び込み専用らしく,「運転手ね」といってアコードに押し込んで去った。

運転手がこれまたクモスケの典型のような男。一件ヤサ男ふうなのであるが,運転はなかなかのものだ。いちばん右側の車線をハイビーム+クラクションなりっぱなしでつっぱしる。言う事といったら,「シャチョー,タバコどう?」「シャチョー,ニホンジン?」そればっかである。

いろいろと会話を試みるが,日本語も英語もほぼ通じない状態で,ぜんぜんワケがわからない。飛行機の隣り合わせた人たちからの印象では,「台湾人は(みんな)かなり流暢な英語をしゃべるのか?」と思ったのだが,ぜんぜんそんなことはないようだ。

台湾高速道路に乗る。台北26kmなどと出ていた。片側4車線もある広い道路だが,意外と巡航速度は遅くて100km/hせいぜい。ここを運転手氏は約120km/h で走る。一般道の惨状からみれば?おとなしいものだ。

車はタイワンアコードだそうだ。ネダンはUS$25000というから,300万円ちかいのか? 一見,旧型シビックのような気がしたし,排気量を聞いてみたのだが結局話が通じなかった。しかし,かなり新しいオートマ車だった。

回りの車もほぼ日本車だ。黄色の本物のタクシーもサニーなどの1500ccクラスの日本車が多い。日本の軽ワゴンも多いが,排気量は1000ccにしてあるようだ。

さて,無事ホテルに到着(実際問題,こんな車で事故でも起きたら何の補償もないだろう。まあ,しばらく乗っていると比較的運転はうまいし,気も使っている事は分かったがそれでも,ちゃんとホテル前に着いたときはほっとした)。

さていくらでしょう? これがなんと1500円というが実はNT$1500なのだ(約,円の5倍)。一応100は値切ってみたが,これって高かったのだろうな?

大体40km位は走ったことになるから,日本のタクシー感覚だとやっぱりちょっと安いかまあこんなものなのだが,台湾としたらどうなのだろうか?

まあ,彼らにしてみれば,日本からトロそうな「シャチョー」がネギならぬカメラをしょってやってきた,というところだろうか(後で,バス代を見たらNT$75とか書いてあるのでキョーガクしてしまった)。

ホテルは旅行社で予約してもらってあったから,即分かり,フロントも日本語でOK。いまひとつ緊張感がない。

7Fの部屋もまあまあ日本のビジネスホテルより広いし,TV,エアコン,バス,トイレ,電話と一応必要十分。

だと思ったのだけど,この電話が食わせものだった。モジュラーになっているのだが,どうも極悪4線式。そのうえパルス式でダックからダイヤルもできない。

まあ,マニュアルでダイヤルすればいいさ。スプリントからアクセスできればいいんだから。

ところがお立ち会い。サイテーなのは,聞いてきたスプリントのIDは通らないではないか! 有効じゃないとか返してくる。ノードにつながったからやれやれかと思ったのに,ぜんぜんやれやれじゃないのである。

と言うわけで,怒ってしまってどうやってアップロードしたかというと,日本に国際電話をかましてしまったのだ。

これは当然OK。アップロードになんの問題もございませんわね。問題はいくらかかったか不明ってところである(たぶん,高いよ)。とほほのほ。

以上,不幸な?台湾第一日の様子である。なお,今後台湾ノードの接続がうまく行かない場合は,残りは日本に戻ってからにするかもしれない。

ついでに,台湾ビールはやたら軽くてぜんぜん旨くない。これも不幸?

竹中 俊

Takechang の冗談半分 #304  93/ 2/20 2:21