Takechang の冗談半分 #376  93/ 5/16 11:17

プータロー日記 22>
Macの別の楽しみ

Macintoshの画像扱いについては,いまやISAマシンの能力が上がり,機能上遜色なく,コストパフォーマンスで大幅に上回るという状況であることがわかったので,なんか別の目が出てくるまでは画像はISAマシンでやることにした。

じゃあMacにいいところがないのか? というと実はこれを発見した。

それが今回の「しゃべる」ということなのだ。

MacinTalk

むかし,128K Macの改造の時代でもMacinTalkとかがあって,その奇麗な発音?には感心したものである。

この点では,98でこれをマネした98TALKとかのフリーソフトも使ってみたが,さすがに98のbeepでは何を言っているのかわからない。

その後,98でもNTTの音声ボードとか,ISAならサウンドブラスターとかを使えばかなりの音が出せるようになったのではあるが,これらは標準装備ではない(装備して売っている機種もあるが)。

だから,Macの標準でついているお徳用機能というと,このサウンドとSCSIポートなどなのである。

あと,本当は一番のメダマはLocalTalkであるのかもしれないが,これは僕のところでは使用できる環境がないのでまだ試せていない。

何せ,個人でネットワーク機能を使うのなんて,BYTE誌の「混沌の館」でもつい最近使われるようになったところであり,パソコンの台数そのものとしては10台程度を数えるものの,実態はV30以下のマシンが過半という我が家ではほとんど意味なしの状況なのだ(でも,これはそのうちやってみたい)。

で,本題にもどると,Macのサウンド機能を使うものとしてはいろいろあるだろうが,僕はこれを僕の弱点の1つ,つまり「英語」(本当はもっといろいろできればいいのだろうけれど,英語もできないようじゃあ,ほかなんてできるわけがない)の練習につかってみようと思ったのである。

こういった用途のソフトはいろいろあるのかもしれないが,僕はASCIIから市販されている「パワーアップ英会話」というのを買ってきた。

6800円。余談だが,これは近所のパソコン販売店にはどこにもなくて,大手書店のパソコン書籍コーナーに置いてあった。

最近,「DOS/Vパワードライバーズ」とかこういう売り方のソフトが増えている。

1万円もしないような,ソフトとしては安い部類のものに多い。

だいたい本が再販品目で,本を値引きで売ってるところはあまりないわけで,同じようにソフトも定価で売れる。

ふつうにパソコン販売店で売るとすればソフトも2割3割びきは当り前で売らねばならないから,コスト的に厳しいであろう安いソフトの場合,販売店とメーカにはメリットがあるのだろう。

まあ,高いのは弱点であるが,これで売れ筋以外は2週間しないと手に入らないとかでなく,すぐ手にはいるソフトが増えるならユーザにも喜ばしいことである。

あと,「ソフトが図書券で買える」というのもちょっと見逃せないかも。僕は退職のときに図書券を大量にもらったので,これを握って買いにいった。
(なお,ソフマップでも使えるけど,図書券の換金率は75%と良くない。)

さて,パワーアップ英会話には1. 海外赴任編,2. オフィス編,3. パーティ編, 4. トラブル編とあって,1,2は昨年から出ており,3と4は今月発売になった。

どれにしようかと思ったが,ぼくは4のトラブル編をとりあえず入手してみた。

環境についてはいささかいろいろな制限が書いてある。
使用できる機種は,SE,SE/30,Classicシリーズ,LCシリーズ,IIシリーズ,Centris,Quadra,PowerBook,Duo で,ただし,PowerBook165c,Quadra 800,Plus,Portable,IIxには対応していません。とある。

Macintosh IIcx

手元のはIIcxだから一応合格。

メモリは空きメモリ2MB以上。これも5MBに増設したから合格。FDは1.44MBディスク5枚で供給されるからスーパードライブが必要(ただし800KBディスクしか読めない機種に対してはコンバートサービスがある)。

HDDにインストールが必須なので,HDDも必要。容量は10MB使う。このあたりも一応合格。

システムは漢字Talkの6.0.7か6.0.7.1,7リリース7.1ということになっている。

SweetJAM(A&A Co.,ltd.)

これはちょっとまずいかもしれない。僕のところはSystem7.01にSweetJAM 7である。

あと,ソフトそのものには自分の発音を比較するための録音機能が付いている。しかしこれはLC以降のマイク付きの機種でしか使えない。

IIcxなど,この機能がない機種で使うためにはMacRecorderまたは,MacMikeなどの音声入力装置が別途必要になる。

ということで,当面これについてはあきらめ。

インストールであるが,これは簡単でなんかの名前のフォルダを作ってやってそこにディスクの中身をコピーする。

で,これは*.seaファイルの自己解凍圧縮がかかっているから,アイコンをクリックして解凍してやればいいというだけである。

もしも,HDDの容量に余裕がない場合,レッスンは4つに分かれていて,一度にはそのうちの1つしか使わないので,1つづつインストールしてもいい。この方法なら最少4MBのHDD容量で使える。

さて,JAMで動くかであるが,パワーアップ英会話4のアイコンをクリックするとちゃんと起動する。

「どこかで死ぬかな?」と思っていたが,現在レッスン4を終わって何も問題がなかった。いろいろ文句が書いてあったが,JAMでも問題ないと言ってよさそうだ。

さて,内容であるが,
レッスン1:KojiとPamがSanta Cruzにドライブする。Kojiは帰りに自分の自転車でSunnyvaleに戻るという。
レッスン2:KojiがFunny's Grillで食事をして出てきたら,自転車を盗まれていた。
レッスン3:Koji,レンタカーを借りてSunnyvaleに戻る。
レッスン4:家にたどりつく。
といったスキットになっている。

これを,まず話を聞いて,内容に関する質問に答え,それによって練習のコースをMacに判断され,聞き取り練習,発音練習,翻訳練習,内容に関する質問に答えるなどの順で進んでいく。

連続してやれば1レッスン約40分というところ。きちんと終了すれば進行状態が記録されるから,ちょっとソフトを抜けてもまた続きから始められる。

1993年1月号のMacPowerによると「しかし,内容的にはかなり高レベルなので,英語が苦手な人には辛いかもしれない」となっているが,実際はそんなにレベルが高いわけではない。

とにかくネイティブの英語を聞いたことのない人の場合はたしかにそうなるかもしれないが,これはゆっくり,スタジオのような雑音のないところで録音されたものであって非常に聞き取りやすい。

内容的にも平易。まあ,僕のような「英語ダメ」オヤジでちょうどの水準ではないだろうか。

僕の水準で,質問にはほぼ間違いなく答えられるからたいしたことはない。
(なお,問題や解答の書いたものはなく,すべてソフトの中で処理される。)

実際の場面ではたとえば聞き取りにくい雑踏の中だったり,違和感のある発音をする人だったり,早口で大幅に省略した喋り方をされたりと,こんなにいい条件の時はあまりないのである。これができて,ごく簡単な日常の受け答えがなんとか出来る程度になれる,という水準だろう。

にたような教材の本+テープなどに比べてコンピュータを使ったことにより,

  1. 学習者のレベルにより,指示を適切に変えられる。
  2. テープ巻戻しなどの手間がなく,中断してもその場から始められる。
  3. 音声だけではなく,画面でもガイダンスが行える。
  4. 学習者の反応をキーボードやマウスで入力させ,学習成果の確認ができる。

などのメリットが出た。特に 1. と 4. はテープ教材やテレビ学習ではまねのできないもので,コンピュータソフトならではの長所が十分発揮されている。

もう1つ僕の場合にいいのは,ISAマシンの前にMacを置いてあるので,スキャンの待ち時間でちょうど1つのレッスン(たとえば聞き取り練習とか)ができるということだ。ボーとスキャンまちしてるよりはよほどいい。

僕は英語の本なんていっぱい買ってみたし,テープだって自慢じゃないが何種類か買ったり貰ったりしたけど,なかなか面倒で聞いたり見たりできなかった。

でも,これの場合かなり気楽にやれるので,僕でも続けられそうである。

ということで,今日は画像と別のマルチメディアの使い方,英語学習への応用ソフトについて書いてみた。

こういう用途にマルチメディアはほかの方法と比べかなり優れていると思う。

Apple Speech Recognition

そしてMacでは標準でこういうことができてしまうのである。

竹中 俊

Takechang の冗談半分 #376  93/ 5/16 11:17