Takechang の冗談半分 #166  92/ 9/19 22:52

技術が進んで

今日は,先週気に入った図書館に行って書いてみた。土曜日で学校が休みでないせいか,図書館の職員が2人,おじさん,おばさん各1名と僕で,まるで貸し切りのような状況だった。

そこで,ぱらぱらと週刊誌をみていると(なんで,図書館でまで週刊誌かというと保育園の迎えがあるので,あまり時間がなかったから)大阪の回転寿司屋さんが,カリフォルニア米を使った冷凍すしをアメリカから輸入するというので話題になっているのだそうだ。

スシ用に作られたカリフォルニア米をスシ握りロボットで作り,人間がわさびとネタをのせて,瞬間的に超低温で冷凍してやってできあがり。

職人はいらない。こないだテレビで何個握っても1個32g,米粒が411個の職人とかいうのをやっていたけれど,機械がやった場合はこのようなことはあたりまえということになると思う。

洗濯機。いまや汚れに合わせて機械が洗浄時間やすすぎの程度を判定する。人間は汚れたのを入れるだけである。掃除機。自分でごみの状況を判定し,パワーを調整する。このように,会社で,家庭で,機械が人間の代行を行うことが増えてきた。
(注:大阪の寿司やさんの話で,ニュースとしてのポイントは,これが米加工品にあたるのか,ということである。米は単体での輸入は禁止されていて,ご飯になってもだめなのだが,これがピラフとか炊き込みごはんなどのように,米と分けられない具が1/3以上入っていればOKということらしい。寿司やさんのほうは寿司はごはんに酢などをまぜてあるし,ワサビをつけて具をのせてあるから,これはご飯だけに分けられないものだ,と主張しており監督官庁は「のせただけ」ということで輸入OKかどうかが注目されているわけだ。)

つまり人間は少なくていい。(働く)人はあまりいらなくなる。

というふうになって行くと,どうなるか。作る側はより知識を要求され(立場を変えると必要とし),そうでない側はより知識は要らなくなる。

何らかの分野での専門家ってのがすこーしいれば済んでしまう。こういう傾向はこの先どんどん加速するのではないか。

それに今回の不況で,一時収まっていた人減らしなどがまた行われることになるのではないかと思う。すでにXX人,XX%削減なんて話をよく聞く。

そうでなくても,例えば高速道路の入ったICを示すカードなどもどんどん自動発行になっていくようである。そのうちクレジットカードと連動で料金支払いについても自動化されるとかいうはなしである。すると,料金所のおじさんはいらなくなる,というわけだ。

一方,人間はといえば,医療技術の発達で増えていく。

と,どうなるか。失業者はこの先増えていっても減らないのではないか。それに高齢化現象で働けない年齢層の増加も加わる。

ということでこの矛盾をなんとか解決することが今後の問題として大きい課題ではないか,とこのところ思っている。

アメリカなど,既にものを作ることをあまりやらなくなってソフトウエア勝負を始めた国では既にこの状態が問題になっている。

もともとホワイトカラーだった人がブルーカラーへ,ブルーカラーからはみ出すとホームレスへ。Downward Mobile Peopleというのだそうだ。

日本でもこの先,どうなっていくのかなあ,とちょっと寒い感じがする。多分,貨幣ベースの経済である限りはこの傾向は止まらないと思うし,かといってソビエト式の共産主義の方が先に崩壊してしまった。

たとえば,アーミッシュのような生活ならいのかもしれないけれど,そんなことってできるのだろうか。

たまに大上段で考えてしまって,ぼーっとして窓の外を眺めていた。気が付くともうちょっとで12時。あわてて保育園に迎えにでかけた。

TAKECHANG

Takechang の冗談半分 #166  92/ 9/19 22:52