Takechang の冗談半分 #220  92/11/18 2:32

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ちょっと闇雲ではあるが,まずはコンベンションセンターの外周にそってずっと回って見ることにした。

すぐに気がつくのは,どうやら日系メーカーはあまり元気じゃないこと。一世を風靡した東芝のラップトップなんてのがあまりめだたない。NECもEPSONもどこにあるのかな,というぐらいだ。

探せばちゃんとあるけれど,どうもあんまり昨年のように派手でない。

昨年の状況を言えば,「カラーノートがあるのは日本メーカーだけ」に近く,ほかといえば,せいぜいIBM,ASTといったところだ。

今年はと言えば,カラーノートなどというものは,TFTSTNかという違いはあるものの,要するにどこにでもある物件になってしまった。

ということで,日本メーカは次のインパクトのネタを失ってしまったようだ。この数年というもの,「TFTと言っていれば大将」みたいな時期があったからであろうか。少なくとも,一時代前に東芝のJ3100がラップトップの時代を切り開き,同じく東芝のダイナブックがノートの時代を作ったようなものはない。

こうなってしまうと,代わって力を得たのはデスクトップマシンと同じく台湾のメーカーということになった。

彼らは,FDやLCDパネル,キーボード,CPU,HDD,メモリ,ディスプレイコントローラというようなものを買ってきて,組み立てればOKというようなビジネスには滅法強い。

去年は,さしづめ「ISAマザーボード館」の様相のあったヒルトンのコンベンションエリア(だいたい,台湾や韓国の余り大きくないメーカで占められている。韓国系などでも,Leading Edgeであるとかいったような準大手的会社はラスベガス・コンベンションのメインホールに出ている),ここのマシンが軒並みカラーノートになっているのだった。

次の目とか言われていたペンはアメリカでも動きは鈍く,この分野のリーディングカンパニー的な感じのあったMOMENTA社などは,この1年間に倒産してしまった。
(とはいえ,相当に多くのメーカーがペンを手がけているのはまちがいないが。)

こうなってくると,日本メーカは何をやっているか。というと,それは部品屋ということになるようだ。

おおむね,CPUとHDD,それにBIOSチップ,VGAコントローラをのぞくとその他の部品はほとんど日本製のようだ。

Samsung

ことにLCDパネルなどは,ほぼ100%に近く日本製のようだ。それ以外のはないのか,というとそうでもなくて,例えば,SAMSUNG(韓国)などは,自社製のカラーVGA TFTモニタを展示している(しかし,これは参考で,製品版は日本製だというSTNカラーばかり。TFTの表示品位も,ノーマリブラックで視認角度はかなり狭い。全体に2年前の日本メーカ程度の水準にあるように見える。しかしゼロから最近はじめてこれなのだから,キャッチアップはすごい早さといわなくてはいけないだろう)。そのほか,フィリップスも自社製(たしか,フランスで作っている)の6インチTFTをCD-Iプレーヤの表示部に使っている。

しかし,はっきり「自社」と言ったのはこのぐらいだった。それ以外は日本製なのだ。

FDやキーボード,メモリなどは日本製。いまや日本は世界の部品庫ということか?

なんかうれしくないような悲しいような感じ。日本人としては面白くない。

やっぱりなぜこうなったのか,というところをきちんと反省してかからないと今後とも日本は部品庫である。そして,そこをヒタヒタとすばらしい速度で追い上げてくる一団もある。

なんとなく暗い気分が支配したCOMDEX第一印象である。

TAKECHANG

Takechang の冗談半分 #220  92/11/18 2:32