Takechang の冗談半分 #419 | 93/ 8/ 5 14:45 |
今年もまたPuppet Carnivalの季節がやってきた。
データ:
1993年8月5日より9日
市内各所で約400回の公演が行われる。
問い合わせ:0265-24-4478 実行委員会事務局
これに先立ち,人形劇団ひとみ座が近隣の各市町村をまわっている。
人形劇団ひとみ座ご存じ,ひょっこりひょうたん島のあのひとみ座である。
最近,NHK BS2や教育TVで復活しているから,ご存じだろう。1964年から5年間にわたってNHK TVで放送されたが,近年復活の希望が大きく,なんとかしたかったが,当時のテープはすべて失われていた。
当時,録画テープは貴重だったので,3ヶ月の保存の後はすべて再利用していたのだそうだ。かくして,僕らが子供のころ毎日見てたひょうたん島の映像は1つも残っていないのである。
で,BSも始まってチャネルにも余裕ができたので,再度人形から制作してやっているということだ。
スタッフは昔のまま。ただ一人,ドンガバチョの声の藤村有弘さんが亡くなり,いまのシリーズでは名古屋章さんに変わっているだけである。
今回は,1967年録音の藤村さんのガバチョの貴重な音声で上演が行われた(このテープは井上ひさしさんが舞台用に書いたものだったので,ひとみ座で保存しており,そのために今日まで残っていた)。
僕もこれを喬木村まで見に行った。
椋 鳩十ところで喬木村というのは,亡くなった児童文学者,椋鳩十さんのうまれたところだ。
椋さんの作品の多くは鹿児島の任地で書かれたものだが,作品の題材の多くは子供のころに遊んだ喬木村の山や川である。
現在,村の図書館に併設して椋鳩十記念館ができている。今回の公演も,椋鳩十記念館の関係者の尽力で実現したものである。
上演後,劇団の人達が人形といっしょに客席に下りてきて子供達に操作をさせてくれる。非常な人気で,ダンディ,ドンガバチョや博士などはなかなか触れないので,あまり人気の無かった?チャッピ人形と操作の人を撮らせてもらった。
で,じゃーん,今回はいよいよこれを自分で現像してみた。
薬品はLPLのCNF(カラーネガ用発色現像剤,漂白剤,定着剤のセット)。まず,40度Cの温水で薬品を規定量にうすめる。できた薬品は31度Cのバットに保温しておく。
で,最初の仕事は暗室でフィルムを現像タンクに仕込むことだ。この仕込み作業は暗いところで手探りでやらなくてはならない唯一の仕事なので,1本フィルムを犠牲にしてやり方を練習する。
暗室はなかなか作れないので,僕は大型(75cm)のチェンジバッグを使った。また,フィルムは全部巻きとってしまわないで買ってきたときのように少し先が出た状態にしておいて(EOS5では設定で全部巻き込まないようにできる)明るい状態で先の部分をタンクのリールに巻き付けをしておくと後がらくだ。
フィルムとタンクとはさみ(末端を切る)をバッグに仕込み,あとの巻き込みは手探りの作業となる。先の部分さえ溝にかかっていれば,大して難しい作業ではない。
タンクにフィルムを仕込めば,あとは明るいところで作業ができる。
まずは,発色現像。8分間かくはんしながら行う。温度はマニュアルでは30±0.2度C。
実際には薬品のマニュアルによれば,そんなにシビアなことはないようだ。温度が低いと困るが5度くらいまでなら,ずれていても,それに応じて時間を短くしてやればいいようだ。
7分45秒たったら,現像液を排出し温水ですすぐ。この温水の温度は多少ずれてもいいので,水道(温水ボイラー)の水を使った。
約1分水洗したら,次は漂白。これも同様に7分45秒の工程である。
排出したら,4分間の水洗。次は7分間定着。
最後にまた4分間水洗して終了。
あとはスポンジで水切りして,乾燥するだけだ。
思ったよりも簡単なことだった。
要は温度管理をきちんとし,あと時間もストップwatchできちんとやれば,きれいに仕上がるようだ。
でき上がりは,GVM9の下記に示した。
> 207. CHAPPIC.JPG TAKECHAG 93/ 8/ 5
> 206. SCSIC.JPG TAKECHAG 93/ 8/ 5
なお,206は現在COOLSCANを動かしているシステムのようすである。
手前左側から,COOLSCAN本体(外付け用のものの中身のみを取り出した),その右がCOOLSCAN用AC/DC電源。DCでは車のDC12Vを供給するとCOOLSCAN用の電圧に変換する(奥側のACケーブルの右にプラグがつく)。
その右がDynaBookのACアダプタ。小さくなったといわれるDynaBookのACアダプタと比較しても面積は小さい。ただ,弱点はAC入力が120Vまでなことだ。だからヨーロッパでは変換トランスのやっかいにならなければいけない(アメリカ,台湾はOK)。
奥のダイナブックの左の黒い箱がCOOLSCANのDynaBook接続の要,LTDSである。もう少し小型にできるが,今回は少し余裕をのこしたままである。
写真を見てみると色なども別におかしくない。ラボ製に比べて遜色ないといっていいだろう。あと,考えてみると,この一連の工程はホテルの部屋が最適である。
お湯はあるし,そのへんを濡らしても(洗面所なら)いいし,その上,ガムテープなどでめばりすれば洗面所が簡易暗室にもなる。
ということで,このやり方は日本国内の取材の場合,ホテルを拠点にして動けるならば,かなりいいと思う。
コストはフィルム10本で2000円(CNF薬品代)と安いし,夜ラボがしまってから帰っても(だいたい,受け付けは5〜6時で終わるし,5時に出して7時に受け取るのは超特急現像になるので料金もベラボーに高い)問題なく現像できる。
所要時間は全部で1時間程度。
ただ,外国取材の場合となると,そうもいかないだろうと思う。
でかいポリタンクや薬品,温度計といった器材を持っていくのはあまり現実的とはいえないから。
そういう場合にはやはり,この前紹介したようなポラロイドの35mmフィルムが良くはないか,という気がする。これならフィルムのほかには小型の専用現像機がいるだけだ。
(ただ,コストはかなり高くなる。これがこの方式の難点で,だからいつでもやれるという方法ではない。)
近いうちにこのポラロイドの実験もやってみる予定である。
竹中 俊
Takechang の冗談半分 #419 | 93/ 8/ 5 14:45 |