Takechang の冗談半分 #441 | 93/ 9/ 6 9:55 |
FM長野の日曜14時の番組を「さだまさし」氏がやっている。
今回のテーマは「プロフェッショナルとアマチュア」。彼の切り口がおもしろい。
プロとアマの差は何かというと,それは「速さだ」というのである。
質の事はもちろんあって,低質なものしかできない者はプロフェッショナルにはなりえない。
しかし,アマチュア=低質ということはない,というのである。
アマチュアだって,何かの拍子にとか,非常な時間をかければいいものができることはあるのだという。それは彼の専門の音楽でもそうだという。
ただ,彼がプロなのは,どんな時でも,規定の時間でそこそこ以上のものを「必ず」物にするからだ,というのである。
一理ある。
(現代の)ビジネス・プロフェッショナルにとって,一番大事なのは確かに「納期」である。納期遅れを常習するヒトは歓迎されない。
鳥山明しかり,つげ義春しかり。納期遅れしても次の仕事が来るのはほとんど故手塚治虫ぐらいではないか(なんだか漫画家ばっか)。
でもって,納期の為なら質は多少落ちても許して,許されて,しまう。
逆に質を追求しすぎるゆえに納期遅れしてしまうレオナルドクマではなくてレオナルド・ダ・ビンチのような生涯納期を守れなかったヒトは,やはり数百年前でさえ,あまり幸福な生涯を送れていない。
レオナルドの代表作,モナリザにしても,納期を守れずに依頼された肖像の買い主に引き取ってもらえず,そのために生涯手元において手をいれたので,あの名画になったという話があるぐらい,納期と質とは一致しないものだし,納期を守れない場合はいくらいいものでも,少なくもオカネの点では恵まれない。
このあたりと,さだ氏の発言を考えるとこういうことなのではないか。
要するに一般プロ水準の仕事については,納期が最大問題であって,納期に遅れるならば,すこしぐらい質が高かろうとダメである。
ただし,まったく常識と離れた仕事の場合,納期なんぞを気にしていてはいられない,ということだと思う。
こういう,常識やぶりというのは,発達のために不可欠なことだけど,しかし個人としてみると,そういうのを手掛けてしまうヒトは仕事師としてはアマチュアなのかなとも思う。
そして,さだ氏のようにある程度の水準以上のものを必ず納期に作れる人というのは確かにプロフェッショナルなのである(ま,どっちがいい,とかは僕は思わないけど)。
竹中 俊
Takechang の冗談半分 #441 | 93/ 9/ 6 9:55 |