Takechang の冗談半分 #521 | 94/ 4/ 9 11:25 |
(このさい,ぷーたろー日記キューハチではありません。)
HP100の話の続き。
探しに行ったのがほぼ半日後だったのだから,出てこないのも無理はない。ま,春さきでボーっとしていたせいか? これで2週間で2つもポータブルマシンを失ってしまったというのはいささかこたえた。
ノートのほうはすでに限界に達していたからそろそろ代替えがいるとは思っていたからまあ結構あきらめがつくが(とはいえ,高田さんがエスカルゴ日記で指摘されているように,なじんだキーボードとそうじゃないのとは生産性が大きく違う,あとFEPもなじんだのとそうでないのとで違和感が大きい。だから,このさい安いから後釜はノートマックでもいいかと思っているのだが,その辺が問題でまだ決めかねているところである),HP100のほうはもう少し使っていきたかったから,結構落胆した。
とはいえ,このまま放置していても出てくるはずはない。PIMの起動画面ではOWNERが表示されるのであるが,ここにTAKECHANGと出たってそりゃーちょっと普通は分からないはずである。
外に付けるネームシールもあるのだが,これも付けてない。だいたいこの種のものは基本的に無くしても大丈夫なんてことはないのである。要するに個人の責任の範囲にあればいいが,見失えばおしまいである。
それはわかってはいるものの,でもやっぱり未練たらたらである。妻には「アンタがおばかなんだから,週刊XX(地元の週刊紙)のおたづねコーナーでも出したらいいかもね」などと言われる始末。
PIMがよくできていて,結構いろいろ登録しても,たった数十キロバイトしかない余りRAM diskでも結構やってこれたので住所録からメモ,憶えなどなんでも入れてあるのでこれもこまった。
ものぐさだから,頻繁なバックアップなんてやってないので,分からなくなってしまう内容もあって,結構トホーにくれてしまう。考えたあげく警察に届けてみることにした。
夕方交番に行ったら,警官がいなかった。代わりにインターホンが置いてあって「ご用の方はこのインターホンでお話しください。本署受け付けと繋がるため多少時間がかかることがあります」と書いてあった。
うーん,交番なんて学生のころ運転免許を落として(ということは,このまえ来たときも落としものだったわけだ。因みに僕の運転免許番号末尾は4である。自慢であるが,これは4回なくして4回再発行した,ということである。ここ10年ぐらい数は増えていないが,なんでもこのまえ再発行したとき日本記録が8だかで,まだ一けた使いはたした人はいないと聞いたと思う)来て以来だが,最近じゃ警察もリストラとかで人をおかなくなっているのだろうか。あるいは,ヘタにいて襲われるのがこわいとか???
とにかく受話器をとって呼び出し音のなること10回。
「はい,XX署です」と交換がでた。「あの,落としものをしたんですが……」というと「会計課(落としものは会計課で扱うらしい)に回します」,でまたしばし待って「会計課です……」,「あの,落としものをしたんですが……」とまたくり返しである。
「何を落としましたか?」
「ヒューレットパッカードのパームトップコンピュータなんですが。」
「え,ひ……何ですか? ぱーま?」ときたから,
「えーとヒューレットパッカードの,なんというか電子手帳のようなものなんですが」と電子手帳ということばを使ってみた。PIMアプリのみかけはまあ電子手帳である。
「あー,電子手帳ね,ちょっとまってください。」ここでまた担当者が代わる。
「え,その電子手帳はどこの会社のですか?」
「だから,ヒューレットパッカードの……」
「え,シャープとかカシオとかの社名のことですよ。」
「だーら,アメリカの,ヒューレット,パッカード。」
「あーアメリカね。」
どうもこの警察にはHPを知っている人がいなかったようだ。
Hewlett Packard僕が学生時分,HPの関数電卓というのがステイタスシンボルだったんだがなー,一般にはHPって知られていないのだろうか。当然いつも貧乏な僕はカシオだったし,そういえばそのころから置きわすれは特技で,よく実験室に置きわすれてなくしたっけ……とほほ(ということは,春のせいではなく,落とし物は単に得意わざなだけ???)。そのたんび,機能は上がるのに値段は半分になるカシオ電卓に感心したものだ。
とにかく話は通じて,
「どこで無くしましたか?」
「動物園の公園で」ここでまたしばらくまたされる。
「そのヒなんとかってのはどう書きますか?」
「HEWLETT PACKARDです。」
「製造番号は分かりますか?」
「いやー分かりません」などと話をしたあと,またしばらくまたされた。
で,「それらしいものが本署にあります。あす8:30〜17:00の間に印鑑,免許証などの身分証明になるものを持ってきてください」となったのである! (その日はすでに17:30を回っていた)
ひええ,時には警察も行ってみるものである。何とぼくのHP100を落としものとして届けてくれた奇特な人がいたのである。いや,有り難いひとか。今時というか,落とし物なんてまずダメと思っていたのに。
もっとも,この英語版電子手帳もどきではラッキーと拾っても,関数電卓みたく即使えるわけではない。FEPの起動なんてまず気がつかないだろう。
そのわりには内容はいろいろ書いてあるし,なにやら大事そう……という感じがあったのかもしれない。
とにかく,奇跡的に無事で,無傷でHP100は僕の手元に返ってきて,こうして書いているのである。
届けてくれたのは小学生の女の子だったそうだ。どうもありがとう。こういう若い人が居ると,まだ日本も捨てたものじゃない,とおじさんも思います,ばうばう。とにかく久々のうれしかったことであった。
竹中 俊
Takechang の冗談半分 #521 | 94/ 4/ 9 11:25 |