Takechang の冗談半分 #541  94/ 5/18 1: 5

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GVM合宿の3 インターネット

Sさん,Aさんが帰ったあと小川さんからインターネット接続の実際のデモがあった。

Tさんが「スーパーハイウエイ以後,インターネットという話はいっぱい聞いたが,実際に見るのは初めてで感激した」とおっしゃっていたが,僕もそのとおり。

NCSA Mosaic

Mosaicというソフトを使ってアクセスしていたが,これはGUIになっており,動かしたい機能のところにカーソルを持って行ってクリックするとそこに飛ぶ。

今回見たのは各地の大学の研究ダイジェストとか,気象研究所なら,5分前の現地の気象データといったものが刻々蓄積されているところなんかである。

テキストだけのデータあり,GIF形式などの画像あり,音声データありの内容で,研究成果をダイジェストしたリしている。
(今回はT3400CT使用のため,音声は出せなかったが,Mac版やX-Window版なら可能ということだった。)

もともと研究機関の情報交換用といった面があったので,やっぱり接続されているのは,それなりところが多いのだろう。

それにしても,いとも簡単にアメリカはもちろんチェコやオーストラリア,フランスなどにつながってしまうのにびっくりした。ほんとうにクリック一発だけで飛んでいく。

インターネットは分散処理だから,データは各地に分散されて保管されているので,実際にチェコの何とか大学のコンピュータとここのホテルの1室が接続されているということで,なんだか「地球が狭くなった」感じにさせられる。

一昨年ぐらいに冷戦時代の東ドイツから,インターネットを経由してアメリカ中をあらしまわったハッカーの小説(The Cuckoo's Egg,Clifford Stoll)を読んだことがあるが,これだとまさにそういうこともありそうだと納得させられる。とにかく,かっとんでいくだけはほとんど瞬間的に地球の反対側のコンピュータのところまで行ってしまうわけだ。

今回はデモ画像などだから,IDなどなくても見える範囲であるが,あとはなんらかの手段でIDを盗み出せばいいだけ?である。

それにしても,日本では騒がれてはいるものの,どれだけの人が実際にこれを使うことができるのだろうか。

合宿恒例タダシイ中華の会で高田さんが言われていたように「インターネット耳年増」はどんどん増えるものの,実際は見たこともない状況が大多数だと思う。

GVM合宿に集まった中でも日常的にアクセス可能なのは小川さんだけ。つい先日も,何かでインターネットに接続されているコンピュータの数では,日本は台湾やホンコンの1/5とかいう話を見たことがあるが,どうなのだろう。

そういうことだとすると,人口割で考えれば日本は台湾の1/20と考えられる。

情報スーパーハイウエイとかで急に騒いでいるものの,それ前は逆にインターネットのイでもなかった状態というのは,どうもいつも高田さんが言われている情報鎖国的状況そのものらしい。
(鎖国に例えられるのは,僕もハッカー小説なんかで断片をかじっただけ,インターネットということばは良く聞くが,実際にどういうものかなということは,かいもくわからないということがよく似た状況だからである。)

とすれば,いまようやくインターネット明治維新が始まったところなのだろうか。たとえば,ぼくのような単なる個人がインターネットを使いたいと思ったら使える時代というのはいつくるのか? 来ないのか?

明治維新に例えたが,あのときみたいに強力にリーダーシップをとる政治というようなものがない今,先行きはどうなるのか,全然見えず,といった感じがする。

最近の「こりゃ先行きやばいぜ,日本」の例をまた見てしまったようである。

竹中 俊

Takechang の冗談半分 #541  94/ 5/18 1: 5