Takechang の冗談半分 #549  94/ 5/28 14:43

プータロー日記 115>
ちょっくらシリーズ2 開始

今週,COMDEX Springで,案内は来ていたがプータロにはなかなか年に何回もアメリカに出かけるのは荷が重いから,これはキャンセル。

COMPUTEX

かわりに来週のCOMPUTEX Taipeiに出かけることにした。いま,アジアで一番元気な国,台湾である。

人口は日本の1/4でありながら,外貨準備高は日本より多い。コンピュータ産業では,世界の70%以上のパソコン(ただしデスクトップ)はこの国で生産されていると言われれている状況である。

先日,名古屋で中華航空機が墜落した事故は記憶に新しいが,台湾人がなぜ日本にやってくるのか,というと,お金があるからつい外国旅行をしてしまうということ,それから,なんと日本で買ったほうが安いものがあるから,だそうだ。

先日ラジオ番組でやっていたが,いわゆるブランドもの,ルイビトンとかシャネルとかは香港が安いとかいって日本から買い出しにいくツアーというのが昔あったが,いまはちがうのだそうだ。これらは,不況で値をさげた日本の「オカチマチ」が安い。だから,逆に香港や台湾から日本に買い出しにくるツアーがあるのだそうだ。日本のものを買うのではなくてこういういわゆる世界中どこでも売っているブランドものを買い出しにくる,というのだから,時代は変わったものだ。

台湾製品を日本で買うことはどうか,というとこれはどうも少し日本人の側に抵抗感が残っているようだ。

先日のBSで4号館の1/5ぐらいが台湾企業の出展スペースだった。これはまた判で押したようなというか,ワンパターンのついたてで仕切ったブースになんの飾りもない製品がどんとおいてあるというCOMDEXなどと同じパターン。

しかし,従来あったような扇風機だとか電源コンセントだとかいうものではなく,PCマザーボードや完成品などが並んでおり,なかなかおもしろい製品も多い。

ぼくが目を止めたのは,何の変哲もないIBM互換機のノートマシンの上で,なにやらMacのFinderらしきものが動いているやつだった。

アプリケーションはMacWriteなどが見えている。「これは何だ?」というので,ブースにいたアラブ系?インド系?の男に説明を求めてみた。日本語は通じないが,英語はOKで,なにやら強烈ななまりのある英語で説明してくれる。どうも,これは以前高田さんがレポートされてたやつで,MacとISAのダブル互換機だった。メーカー名はニューテック。あの時はデスクトップ用だったが,すでにノートになっているのである。OSは独自に開発したもので,アップルの特許などには抵触しない,と胸を張った。動作も比較的軽く,ぼくのPB180cとは同程度に動くように見えた。

「ほかにも,こんな製品もあります」と見せられたのは,PDAと称する文庫本2冊を重ねたぐらいの箱。4.5インチのカラーSTN VGAのディスプレイがついていて,入力はタッチキー。いかんせん,ベントーバコにディスプレイ窓を明けたみたいなそっけないデザインだからつい見過ごしてしまいそうだが,こんな小さなフルサイズカラースクリーンをもつISAマシンなんて見たことがない。

名前の通り,新しいことをどんどんやっているようだ。

そういう,台湾関連ブースにBSに来た人達はどう反応するだろうか,と注目していたのだが,足を止めてみる人は少ない。

たとえば,MacとISAのダブル互換機なんて日本のどこのメーカーができますかといったってどこもできない新技術なのに,である。さらに,輪番制?でなかなか海外事情を見にいけない日本人にとっては国内に居ながら海外の新製品を見れるチャンスというのはめったにないのではないだろうか。

それをみすみす見逃している。確かに,日本メーカ各社のようにきれいなディスプレイはないし,言葉もどうやら日本語が話せる人を置いているところは少ないようだったが,ものが目の前にあるのだから,相当にブロークンでもなんとかなるはず。

高田さんのコラムにもあるように,こういう引っ込み思案な日本人はどんどん積極的な台湾人に仕事をとられていくのはあたりまえに思われた。

というわけで,以上はBSで見た台湾ブースの話であるが,来週は直接台湾に行って台湾の今を見てくることにする。台湾行きはこれで2回目。昨年は2月のエレショーと台湾事情をさぐる目的で行ったがことしはいよいよ本命のコンピュテックスである。

昨年,市内至る所工事,工事でまるで高度成長時代の日本を思わせたが,今年はどうなっているのか,これも楽しみである。

竹中 俊

Takechang の冗談半分 #549  94/ 5/28 14:43