Takechang の冗談半分 #226  92/11/19 12:11

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アムトラックに行く

去年からのシリーズで考えるとCOMDEXの帰りはひと波乱ないと納まりそうにない?

去年は飛行機に乗れない事件だったが,今年は高田さんの提案で,「アムトラックの汽車(たぶんディーゼル)に乗ってLAに帰る」ことになった。

これは昨日の時点で決定し,高田さんが予約をいれてくれてある。アムトラックは遅いので,帰りの日を1日繰り上げてあすの昼間ずっと汽車に乗っている(つまり,貴社の記者は汽車にのっているわけだ)ことになった。

ところが,今日になって,高田さんはもう1日取材を延長する事になり,僕一人旅ということになった。

つまり,これが恒例「波乱のCOMDEX帰り」の始まりというものだろう。電車なんて乗った事ないし,明日の宿も飛び込みで探さなくてはいけない。これも僕としてはヒストリックファースト。GVのヒストリックファースト男になってしまった感のある僕としてはまあ,やるしかないだろう。

さて,切符は前の日までにどこかの旅行社で買ってくれといわれている。コンベンションか,ホテルのエージェントで扱うだろう,ということなので朝のうちに出かけてみた。

ところが,どちらも「Amtrakは扱っていない,買うんならダウンタウンのAmtrakに行け」という。

仕方がないのでダウンタウンに出かけてみた。ホテルから約2マイルだという。

歩くのは大変だし,ベルボーイの意見に従ってタクシーで出かけてみた。ダウンタウンはホテルの前のストリップという大通りを空港と反対方向に向かう。Intelの記者パーティのあったSaharaホテルをすぎると急に町が閑散とし始めた。

ホテルがなくなり,ガレージ,中古車屋,家具屋といったありふれた店がめだつようになる。そして,ホテル街ではやたらに多い通りを歩く人がいない。

通りの左側にグレイハウンドの大きなビルが見え,そのとなりのホテルのようなところで「ここがAmtrak」といっておろされた。タクシー代$7.50。

ドアを開けて入るとラスベガスの例でそこはカジノだ。ホテルフロントもあるが,これが駅なのだろうか? 劇場の券売り場があったので,そこにいたおば(あ)さんに聞くと「Amtrakはそこをまっすぐに行って,坂を上がる」と教わる。

ホテルフロント脇の坂を上がるとAmtrakの待合い室があった。

中にはじいさんが2人世間話をしており,もうひとり,学生?といった感じの太った若い男が大きいバックパックをかついて座っている。

それだけ。数十人は座れそうなイスにたったそれだけだ。なんか長野の僕の家のそばの駅と変わりない感じである。

チケット売り場は? と探すといちばん奥の鉄格子のはまった窓口らしい。

汚い字で「11時半まで閉める」と書いてある。時計を見ると11時15分ぐらい。どこに行くにしても中途半端だから,そこでコーラを飲みながら待つことにした。

コンベンションセンターでは$1する350ccカンがここでは60セントだ。

ぼーとすること30分,指定時間を大きくすぎて,係りの男が帰ってきた。

老人2人は今日の汽車ででかけるらしく,カバンを預けて,発車時間を確認して去った。若い男はどっかからやってきたのか,カバンを預けるだけで去った。

アムトラックの時間表はいたって簡単である。

西行きは,8:05に来て,8:20に出る Barstow, San Bernardino, Fullerton, LA, San Diego 行きの35番列車,東行き(Eastbound)は夜6:45に来て7:00に出る Salt Lake, Denver, Lincoln, Omaha, Chicago 行き。1日にたったこれだけしかない。

それ以外の時間はときどき長い長い貨物列車が通っているようだ。

受付の男に切符を買いたいのだが,予約番号は061-XXXと告げる。はいというので,コンピュータで予約を見ている。これだけヒマな乗り物でもオンライン処理になっているのだ。

「はい,予約が2名になっています」という。「1名は都合ができたから,1人だけにしてください」というと,簡単にOKといって変更される。

「ベッドは必要?」昼間だから要らない。「コンパートメントか,シートか。」ちょっと一瞬考えていると,受付の男は「コンパートメントはすごく高いよ,シートで十分だからシートにしたら」という。幾らか聞くと$66というので,それにする。

指定席だからどうということはないだろう。時間を聞いてみた。朝7:45には来てくれということ,LA到着時間は15:15と言う事が分かる。飛行機なら1時間だけど約7時間の旅だ。

帰りもタクシーでサンズコンベンションに向かった。さて,楽しいような不安なような旅はあすである。

TAKECHANG

Takechang の冗談半分 #226  92/11/19 12:11