Takechang の冗談半分 #566  94/ 6/28 21:55

プータロー日記 118>
田舎とマルチメディア

マルチメディアに必要なものの第一が回線である。

特に日本では回線を引くこと=マルチメディアみたいに思っているところもあるし,実際に回線無しでなんとかするには衛星回線しかないだろう。

衛星の場合にはブロードキャストで片方向通信するためにはまことに便利なメディアだが,マルチメディアということで双方向にデータを通したい場合は困ってしまう。

今のところ,衛星に向けて電波を送り出すには最低でも2級特殊無線技師でなければならないというような制約もある。

本当にあらゆるところに日本ではいろんな障壁があるのである。

ともかく,そんなこんなでマルチメディアというと有線回線ということになる。これだって,工事には資格がいるのだけど,設置さえされてしまえば有線の場合にはさすがの日本も資格はなしで送信も可能なのだから。もっとも,このあたりは非関税障壁とかアメリカあたりからたたいて貰うと案外すんなりと「使うだけなら無線でもいい」とかいうように変わるかも知れない。

こういう言いぐさっていうのはほぼ内政干渉で,日本人の僕だっていい決まりだとは思っていないものの,外国が言ってくるのはナンセンスだと思う。

だけど,外国が言えば聞く,というのはある。国内の人間がいくら言っても聞かないけど,外国なら一発とかいうのが。会社だって,いくら正論でも社内の人の言い分だと聞く耳を持たないけど,外からだったらすぐ通るというようなのがあったなあ。

とにかく,マルチメディアといったら映像の通る有線回線が必要ということにいまは
(〜行抜けあり?〜)
で,これは要するにCATVであるが,日本ではこれも規制で「1つのCATV システムは1つの市なり町の区域でしか営業できない」とかいうわけの判らない規制があったり,マルチチャネルのCATVの前に難視聴用CATV(つまりビル陰とかでTVが良く見えないところの対策用)とかいうのがあって,この営業区域はだぶってはいけないという「慣例」があったりする。

それにやっぱり日本人は「自分の見たいものを見る」より「みんなが見ているものを自分も見る」傾向が強いように思う。

だから,都会ではなかなかCATVが流行らない。

これが日本でマルチメディアをやろうと思う時の第一の障害だと言われている。

ところで,前にもちょっと書いたことだが農村には,有線という(シューマッハの440というのではなく)地域限定電話システムがある。これは,大昔日本でも電話は申し込んでも5年待たなければつかないとかいう,まるでどこかの旧共産主義国もまっさおみたいな時代があって,特にいなかは冷遇されていたから,「せめて近所だけでも,なんとかすべえ」というのと,「防災連絡用」などということとからんで,昭和30年から40年代ごろできたシステムである。

それが老朽化して,付け替え時期をむかえ,いま徐々にCATV化している。

僕の町でも昨年からCATVになって,電話と衛星を含んだTV放送のほか,自主制作番組を2チャネルやっている。システムとしては双方向で,需要家側から送信することは可能なのだが,まだそういう例はない。

ということで,実はこれはいまアメリカで実験などが行なわれているようなビデオオンディマンドなどを通せるハードウエアである。

だから,これに運用ソフトを組み合わせればアメリカでやっているような数千とか数万とかいう地域限定の実験はすぐやれる土壌が田舎にはある,ということだ。

このことはあまり今のマルチメディア論議の中に出てこない。都会の状況が,CATVが普及してなくて……という話ばかりだが,実は田舎はこの面ではハード的に進んでいる部分もあるということなのである。

何を取っても遅れ遅れの田舎だと言われているけど,マルチメディアに使える入れ物という意味ではすでに先行している。

これがうまく使えれば東京一極集中のようなことはやめられるのではないかなという気もする。
(〜行抜けあり?〜)
ハードだけ進んでもソフトなければただのTVだし,それにマルチメディア化が進むと情報は個人に帰するようになって,人間の出会いというような事がより大事になるというような話もある。

すると,やっぱりいつもどこにいるかはともかく,打ち合せなどと称して東京には行かなくては仕事にならない。かくしてマルチメディア化しても東京集中は変わらないのかどうか。あるいは,面と向かって打ち合せしなければ気が済まないという体質?もマルチメディアで変わっていけるものかどうか。

本当のところはなかなか判らない話である。

竹中 俊

Takechang の冗談半分 #566  94/ 6/28 21:55