Takechang の冗談半分 #008 | 92/ 3/ 3 23:19 |
今年あたりの年賀状は,一見「筆字ふう」に見えるワープロ文字が多かったようだ。
サーマルリボンで表面がテカテカしているやつは一見して,ワープロと分かるが,フォントが巧くできていて,表面が光らないのは,本当に手書きか,と思ってしまう。
ウラ書きをみれば,みみずののたくったような字で「またのもうぜ!」とか書いてあったりするので,やっぱりこれはワープロだ,と納得する。
僕自身は,自分で書いたのでは二目と見られない文字になってしまうから,EPSONプリンタのフォントで十分と思っているけど,やっぱり,「上手な手書き」に憧れる人は多いのだろう。父のやっている書道教室も,結構繁盛している(実は,このぼくがかなり初期の生徒なので,成果の程はちょっと怪しい)。
以上は出力のほうだけど,入力の「手書き」も昨年来何かと話題になっている。
今日の朝日新聞によれば,日本NCRが「NCR3125」ペンコンピュータを発売したということだ。これは,昨年からアメリカで売り出されているものを日本語化したものだ。「パソコン」という枠では,日本初のペン入力である。
大きさはA4サイズ,厚さ25mm,重さ1.8kg,823000円。
現在,日本語FEPは搭載できていないが,発売までには装備する,とのこと。
アメリカでは,MOMENTAやGRIDなども出荷していて,昨年の話題だった。
それから,少し前にはSHARPがPEN書院というワープロ専用機を発売した。これは,A5サイズ,厚さ28mm,重さ820gという,パソコンならHAというような寸法で,単三電池4本で27時間駆動できる。
これは,1年前に富士通が発売したOASIS Pocketに似た考え方(シャープのほうが一回り大きい)なのだが,ビデオカメラCMふうに言えば,「小さいだけじゃ,もうだめ!」なので,話題の「手書き入力」も装備している。
まだ,実際にさわったことはない。
でも,過去にSONYのパームトップとか,京セラのリファロなどを使った経験からすると,「手書きで入力できる人なら,手で書いても通用する!」である。
つまり,僕のような悪筆の人間の書く文字は中々判別してくれないのだ。
画数の多い文字以外にも,「つ」と「コ」とか,「し」と「レ」のような簡単な文字も意外と読み損なう。「楷書で」入力となっているが,きちんとした文字を書くのは意外に難しいのである。ソニーでは漢字のダイレクト認識もできるので,書き順なんかも参考にしているらしく,右,左,女などみんな読んでくれない(もちろん,僕の書き順が違っているのだ)。
その上,もう何年もATOKなどにお世話になっていて,手書きをいつもしてるのなんて自分の名前ぐらい。相模とか湘南なんてのも,「さてどう書くんだったか?」である。読む方は相当にメンドクサイのでも読めるのだが……。
というような訳で,「電子文書」が出来るというメリットは確かにある(再利用,修正など)ものの,手書き入力は入力の手間はかえってかかるから,その意味ではキーボードのがいい。ワープロの出力結果(清書)を得るのが目的なら手書きで入力できる人なら,生で十分な出力(要するに字がうまい)が得られる。
キーボードアレルギーというけど,経験上は3日である。「オレにキーボードなんて覚えられない」と言っていた人も3日ガマンして使えればもうしめたものである。
ブラインドタッチがどうの,とかいう人も多いが,入力を業務とする人間でないなら,直ぐに(よほど遅くても)考える時間のほうが,入力そのものの時間よりかかることに気が付くはずだ。実は,より困難なのは書くべき文章を考えること,であるから。
(実際にそのことはやってみると難しいので,買われたワープロの半分は年賀状と暑中見舞いにしか稼働しない,という話もある。)
ただ,「ではオマエは手書きはダメだと思っているのか」という事になると,そうでも無いかも知れない,と思う。
例えば,街頭のアンケートで,
Takechangを知っていますか はい いいえ
なんてのに答えるのとか,新聞の集金に行って,
Takechang 入金
に印を付けるとか,LAWSONで売れた品目をチェックする,なんてのには良いと思う。
要するに,マウスの代わりとして使えて,しかも場所を取らない,というようなアプリケーションには向くと思う。逆に,同じアンケートでも,
Takechangについて知っていることを
すべて書いてください。
なんてのにはうまくないだろう。手書きとかいうから,何と無く文字入力機器のように思ってしまうが,結局「タッチ式」マウスとでも思えばいいのではないか。
そうなれば,機能として文字入力ができてもいっこうに構わないし,そういう想定なら,入力できないことでハラもたたない。要するに,従来とは別のアプリケーションを開発するためのもの,という感じだ。
リファロなんかも,実際こんなコンセプトで,出版関係とタイアップして出版物を見るもの,という位置づけもあるようだ。
(でも,あの画面の小ささが災いしてか,あまり流行っていない。見るもの,という考え方では,98の640*400というのはやっぱり最小限度で,これ以下ではだめだろう。文字放送とか,キャプテンが流行ってない理由の一つに1画面の容量が15*8文字では少なすぎ,というのがあると思う。TVニュースなどでは,文字はタイトルとかに使われ,実際の詳細ニュースは耳から入っているからこれでも通用していたのだろう。)
今年あたりは続々と日本語の入力できる「手書き入力」パソコンというのが商品化されるようだが,「何を手書きするか」というところをよほどうまく考えないと,製品多くして,お客は踊らず,ということになるだろう。
TAKECHANG
Takechang の冗談半分 #008 | 92/ 3/ 3 23:19 |