Takechang の冗談半分 #049  92/ 5/ 8 8: 1

でたな,CS

GWに長野で聞いたときには「いつから売るのか,メドもない……」という話だったCSだけれど,休みが終わって丹沢山中に戻ってきたら,幾つかのパンフレットは手に入った。

ただ,やっぱり売ってはいないようで,現在発売しているのが,SONY。SAT-700SPというチューナと60cmパラボラが出ている。

チューナはBS兼用ではあるが135000円,アンテナは64000円。たせば,約20万円という高価なものである。BSだけなら,せいぜい4〜5万で買えるご時世なのに,CSは一気に高い。

これが,6月発売のゼネラルのやつだともっと高くて,CS+BSのチューナ,CST-1000DPは169800円。

アンテナもCS+BSで,衛星の方向が違うので回転装置を備えたやつで,CSA-A60はなんと198000円。確かにチャネルを合わせるだけで必要な方向を向いてくれるという優れ物ですが,でもアンテナだけで初代ダイナブックの値段なんて……。

やっぱりどう見ても前途多難な感じのCSである。

でも,長野の場合,CATVという手がある。長野ではなにせ山また山なので,地上波による放送は映らないか映りにくいところが多い。

しかし,山また山ということは,ちょっとその上に共同受信用のアンテナを付けるには便利な地形でもある。

というわけで,CATVが非常に発達して,今NHKについていうとCATV経由で見ている家庭が30%以上なのだそうだ。

それでもって,CATVであるなら,収用できるチャネルは非常に多くなるので,当然色々なチャネルが放送される。地元地上波局のほか,東京,名古屋,大阪の局などが見れ,番組は同じじゃねーか,と思うけど,CMが違っていたり,放送時間が異なるなどで結構人気だということだ。

その外,BSやCNN,独自番組なども流れていて,これも人気ということなので,CSも追加されるに違いない。そうなると,「専門局」ということはCSの強みで案外イケルのでは?

あそうだ,書き忘れるとこだった。長野でCATVが流行った土台には,昔からあった「有線放送」ってものがあったのだ。

この有線ってのは,ついに2位までやってきたシューマッハの車のドテッバラに書いてあるUSEN440ってわけじゃない。

なんというか,NTTの電話の子分,インターホンのオヤブンという感じの,村とか町の中だけで通じる小規模電話みたいなやつだ。昔はこれでも話が足りたとみえて,農村ではどこの家でもこれがあった。

たぶん,昭和40年代の中ごろまでは,商売をやっている家とか,官公庁,病院とかにしか電話はなくて,普通の家ではこれだけ,ってところが多かったように思う。協同組合のような組織でやっていた。

電話をしたい時は,っていうと,「となりのトトロ」に出てきたみたく,集落に1軒くらいある電話のある家に行って電話し,後で電話局の交換台に聞くと,いくら,って通話代を教えてくれるから,それで払ってくるのだった。

(トトロに出ていたような,木の電話機で口と耳のセパレートのやつのあと,ハンドセットは今のようなかたちになって,本体は黒くて,でも相変わらず,ハンドルをグリグリやるやつがしばらく続いた。このタイプのはその後も結構後まであって,近くの阿南町というところには,僕が大学を卒業するころまであった。なんでも,本州で自動化がされなかった最後の所で,当時,ここ以外には八丈島かなんかしかない,と言っていたと思う。ここの場合は公衆電話もこれだったからすごい。ハンドセットを取ってグリグリハンドルを回すと交換がでて,なんと!「5円入れてください」というので,5円を入れると「番号をどうぞ」と聞いてくるというシカケだった! 5円ってのがすごいと思う。)

ま,とにかくそういうわけで,有線という媒体があったので(我が家にはまだある!)ケーブルを引きまわす電柱とかの設備はむかしからされていたし,大衆的な理解もあったのだった。で,時代の波には勝てず,NTTの電話があればだれもこんなのには見向きもしなくなった,ので,組合組織はそのままにCATVにくらがえしたりしていったのだった。
(ちなみに,我が家の辺りもようやく,CATV化される。)

というわけで,今様のAV(Adultじゃないほうの)多様化は案外ド田舎が進んでいるのであった。

TAKECHANG

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