Takechang の冗談半分 #171 | 92/ 9/29 21:40 |
CDメディアにはいろいろな使用方法がある。
大元の音楽用CD,そしてCD-ROM。
CD-ROMには最近いろいろなバリエーションがあって,CD-ROM XAだとか,CD-Iだとかいろんなやつが出ている。
Photo CDGVM7-1を見るとこれにさらにフォトCDというのが加わっている。まあ,フォトCDってのはフォトってくらいで,写真を記録するためのものだけれど,CD-IとCD-ROM XAなんてのは目的で考えるとほとんど差が無いような感じがする。
うーんなんだかわからん。
ことに訳分からない感じがするのは,XAやCD-Iでは,画像はMCGA(320*200)であるとか,ソニーのCD-Iプレーヤでいうと479*234とかいう今獲られるコンピュータなどで処理できやすいような容量になっている。だから,同じCDメディアでも,CD-Iで32000色モードなら3500画面が入ることになっている。
フォトCDはそれが1枚あたり100枚だという。かなりな高解像度で記録されているらしい。たしかに,写真の代替えとするならば,同じ程度の解像度を必要とされるはずである。このところ,EPSON GT6000スキャナーを使って写真などを取り込んで*.BMP(ウィンドウズの壁紙などのフォーマット)ファイルを作ったりするが,荒い取り込みだと画像がつぶれてわけがわからなくなるし,解像度を上げて取り込むと狭い範囲しか取り込めないというジレンマがあった。
このあたり,フォトCDはどうやっているのだろう?
コダックから発売されるフォトCDプレーヤは家庭用テレビ用である。これは普通320*240ドット程度の解像度しかない(静止画なので,インターレース表示してもあまりひどくならないと思われるが,それでも縦480ラインだ)。
どうするのかなあ。疑問に思ったので,日本コダックに電話してみた。
「あのお,フォトCDについてお聞きしたいのですが……」
「はいドーゾ。」
ふうむ,この人は単なるウケツケではないようだ。
「いつから発売ですか。」「10月1日,あさってからです。」
「どこでも,同時ですか。」「はい,全国どこでも,お近くのDPEにフォトCDと指定して出して頂ければ結構です」とタテ板に水と淀みがない。
ここで,「あのお,CD-Iとか,CD-ROM XAとかも同じCDなんですがあ,どー違うんでしょう?」と日頃の疑問をくりだしてみた。
「はあああ? しいでぃい〜〜〜あいい? そういうのはぞんじませんけど,べろべろべー」というので一挙に訳が分からなくなってしまった。
まー,他社のシステムだからきいちゃ悪いのかな。これを繰り出したおかげで,一挙に相手の調子が悪くなってしまったので,資料を送ってもらうことにして電話を切った。
うーん,失敗。あまり聞き出せなかったな。でも,10月1日ということはあさってからということだ。意外と目前にせまっているフォトCD時代の幕開けである。
フォトCDはたしか,前回90年のフォトキナで発表されて,去年のCOMDEXでも発表されたくらいだから,日経エレクトロニクスとかのバックナンバーを捜せばわかるだろう。
と思ったのだが,やっぱりこれは「写真やさん業界のもの」ということなのか,全然出てない。わずかに今年のCD-ROM国際会議で「アップルがQT上でフォトCDを扱えるようにすると発表した」という記事が見つかっただけだ。
日経バイト,パソコンなども手当り次第見てみたが,やっぱりなにもない。エレクトロニクスなんて,CD-IとかCD-ROM XAの記事は山ほどあるのにこの冷淡さってどうしたことなのだろう。
やっぱり,これは「業界が違う」ということ?
それでは,というので帰りに本屋に寄って写真雑誌をみてみた。昔オヤジがちょっとマニアでいつも取っていたアサヒカメラ。まんなかへんのところに2ページだけフォトCDの事が出ている。
わーきれい!と子供たちが歓声をあげた。式のやつで,どっちかというとイメージ広告的な記事で,中身についてはてんで分からない。
フォトCDプレーヤはPCD255(69800円)とPCD855(79800円)というのがある,と分かる。フリップス製だそうで,昔の出始めの音楽CD用プレーヤと言う感じの外観である。
カメラマン。これもまん中辺に2ページ。こっちのが内容はちょっと細かくて,プレーヤの機能などがのっている。通常再生,ランダムアクセス再生,リピート,移動(やはりTVでは全体が見えないので,ウインドウ枠をずらして,見えなかった部分を見る),回転(左右90度回転),そのほか,高いほうの機種では,写真とTVの縦横比を修正して全画面を表示する機能,一部拡大などが搭載される。
あと,オマケ機能としてどちらも音楽用CDは再生できる。ということだ。やっぱり全体はそのままじゃあ見えない。1800万画素とかも書いてある(なるほどHDTVより多い)。
次に日本カメラ。これも2ページものだが,ついに捜していた内容を発見。記録は写真1枚あたり2048*3072*RGB*8ビットつまり18.87MB で行われる(つまりいわゆる1600万色で記録されている,と)。
これではさすがに容量が膨大すぎるということで独自(JPEGなどではない)の方式でデータ圧縮され,4.5MBの記録容量になる。ということが書いてあった。
なるほど,で,CDがフォーマット560MBとすれば124枚とか入る,まあ100枚くらい,というわけだ。なんか,直接画像以外のデータもあるだろうし,24枚撮りなら5本(120枚)36枚撮りなら3本(108枚)の写真が入るという感じだろうか。
CD媒体は追記型なので,空き容量があれば,前のやつに足して入れてもらうことが可能,ということだった。
なるほど,CD代(なんというのかな。現像+同時CDとでもいうのか?)は24枚撮りで3000円。とすると媒体があって追加焼付けしてもらうのはなんとなく2400円かな? つまり1枚100円ということ。
最近のめちゃ安DPE15円とかから考えると高いけれど,日用品として高すぎるというネダンではないようだ。プレーヤもコニカやフジが参入してくれば安くなってくるだろう(というか,実はCDプレーヤ部分そのものは要するにCD再生装置。だからしてソニーでもNECでもパイオニアでも構わない)。
システムそのものも,新しく買い足すのはプレーヤぐらいなもので,カメラも今までのままということで大きな負担が無いように考えられている。
実は,出力装置の問題でやっぱり解像度は不足のままだけれど,これは確かにあとで出力装置が向上して来ればどうにでもなることだ。
(とはいえ,2048*3072というのはすごい。最近ようやくかなり普及してきたSVGAだって768*1024しかないから縦も横も3倍ぐらいドットをすっとばさないといけない。もっとも,このくらいの絵になれば,素人目にはあまり変わらない程度だろう。これだったら,ISAマシン上のQTでフォトCDが扱えればかなり近い時期にできるようになるのではないか。)
それに,いったんはネガなりポジなりのフィルムにするわけだから,きれいなプリントが欲しければこれから作ればいいわけだ。
なるほど。
あと,これはプレーヤの機能だけ使って,写真集とか写真誌のようなものはすぐにできそう。なんたってCDなのだから,リプリントは簡単だ。
Santa Fe(宮沢りえ)CD-Iとかがソフトで悩んでいる間に,素人写真に加えて写真集(例のサンタフェは4500円ということだから,値段的にもそんなに紙のと遜色ない)なんかでフォトCDがたちあがっちゃう可能性があるなあ。
とにかく,ソースが今ある形態でいい。これはとても強いことである。すると,CDで見るCOMDEXなんてのが現実になるかもしれない。今のテキスト系の通信の弱点を補えるかもしれない。とにかくインド人の写真やとはどんな親父であるか,とか,すぐわかってしまう。
TAKECHANG
Takechang の冗談半分 #171 | 92/ 9/29 21:40 |