| Takechang の冗談半分 #217 | 92/11/17 6:58 |
僕はあまり愛想のいい方ではないから，旅に出てもあまり人と話す事がない。と，思っていたら，今回はずいぶんと大勢の人と話すハメ？になった。
まずは，京成電車。いちばん安く成田に行く手段として，いつも京成特急を使う。アラブ人の少なくなった西郷さん前の京成上野から，成田空港まで940円。
いつでもすいていて，必ず座れる。ただ，電車が京成の普通の電車で，席の作りが普通の向かい合わせの通勤電車仕様なこと，スカイライナーより10分ぐらい遅いのが弱点？
僕はそれぐらいなら，時間が読めるし，スカイライナーより本数も多いし，いいと思うのだけど，なぜか日本人は使いたがらない。
でかい旅行用の鞄を持った人は中国人，フィリピン人といったところになるようだ。
日本人はというと沿線住民のひとが多い。どっちかというと，成田空港行きの電車というよりか，まったくの生活電車という感じ。
上野を出てしばらく千葉県を走っていると，買い物帰りの人がどんどん増えてくる。どこだったか分からないが，僕のとなりに綿いれのドテラを着こんだじいさんがやってきた。
僕が，これから先のルートを検討したり，ぼーと物思いにふけっていた時。いきなり，誰かに肩を掴まれた。
横を見ると，じいさんだ。「あんた，あれどう思う？」いきなり，ドアを隔ててななめ向かいの子供を指さす。僕もさっきからちょっと気になっていた。
この7〜8歳に見える男の子が席の上に寝そべって占領しているのだ。隣に母親らしい人がいるが，このひとは半分居眠りしており，たまに目を開いても子供には無関心。前には2人女の人が買い物袋をぶら下げて立っている。
「あたしゃ，85歳だけどさあ，日本はかわったよ。あれ，誰も何にも言わないもんね。」どうも僕に注意しろと圧力をかけているらしい？ んなこといったって，気弱な小市民の僕にあのおばさんと対決する気合いはない。「はー，」とか得意の曖昧笑いを浮かべていると，じいさんは話し続ける。
次の駅で同じ位の年の女の子とその母親が乗ってきて女の子がこの席にわりこんだ。すると，男の子も含め3人座れる。「なー，ほら3人座れるんだから。」じいさんは力を込めた。
ここで，じいさんを良くみてみると，じいさん，ハスに座っており，どう見ても 2人分は占領している？ なんかわけわかんない説教じいいさんであった。
成田から，LAまで着た飛行機は，シンガポール航空（なので，安い）。
スチュワーデスの制服はシンガポールふうでなんと言うのか，ベトナムのアオザイとかいうようなロングスカート？だ。靴はサンダル。
僕は予約を15日から14日にして，また15日にずらしたせいか，席は窓際のK席。しかも，格安ツアー客にしては，日本人と隔離されたマレーシアやら中国人やらアメリカ人の中だ。
隣はシンガポールから来たというアメリカ人夫婦。彼らだけが，音楽用のヘッドセットを持っているので（シンガポール航空は言わないとくれないし，説明もないので，知らないと入手できない），どこで手にいれた？とか聞くとスチュワーデスからもらってくれたり，食事の時は3人分オーダーをまとめてくれたり親切なアメリカ人だった。
結構いろいろと聞きたがる。行き先はラスベガスといったら，「お金をするんじゃないよ」などと言われてしまう。来るまでの英語の練習になってありがたかったのだが，閉口したのはオクサンの方がヘビースモーカーな事。
ほとんどチェインスモークでいつでもタバコをふかしている。どうも，ご主人の方はタバコをすわないから，オクサンのほうの理由で喫煙席だったのだろう（僕はツアーの都合でfixの席で変えてもらえない）。
8時間ずっとタバコに悩まされたのだった。話はしなくてはいけないし，煙たいし，余り寝られなかった。
LAには定刻到着。ブルーレーンに並ぶ。審査官はブスっとした男で，機械的にハンコを押しているだけだ。
「Hello.」というと，パスポートを見て「こにちわ」と返してきた。どうやら，キッカケさえあれば，この審査官は結構おしゃべりなようだ。
渡航目的：仕事，行き先：ラスベガスなどと書いていあると，おもしろがって，ニタっとして「あんたはスロットマシンの仕事か？ あんなところで仕事なんて」という。
「いや，COMDEXって，コンピュータのショーがあるんだ」と僕。
「じゃあ，仕事だけでギャンブルはなし？」と聞いてくる。
「もちろん，そうさ，去年もそうだったし」と僕。ここで「まーたぶん……」とつけると，かかかか，と笑って，グッドラック。ニコヤカにパスポートが返ってきたのだった。
LVまでもなんのことはない。LAまで寝てないのでほとんど倒れて寝ているうちに，マッカラン空港（なので，ここの売店でものを買ってはいけないのだ。なんせ，まっからんだから）に着いた。
ここからも格安シャトルバスに乗って，ホテルについた。
TAKECHANG
| Takechang の冗談半分 #217 | 92/11/17 6:58 |