Takechang の冗談半分 #218 | 92/11/17 12:21 |
すでに予告の通り,LV到着2時間後,エリクソンGEのパーティに出かけた。
ヘビースモーカーかつおしゃべりのアメリカおばさんのおかげで,眠い。つい,ぼーっとして無口になってしまう(実は半分寝かかっている)。しかし出発前に例の7ビット通信ソフトで国際回線を通してつながるのか? これの確認が必要だ。
それと,COMPAQでどうか。直接PC-VANかつ,PC286ならば,国内でテストしてきているから大丈夫といえるが,この部分は未知数だ。
いささか,「ドロボーが来て縄をなう」式ではあるが,とにかくこの2時間のうちにケリをつけなくては行けない。
最初,.INIファイルにどう書けばいいのかが分からなかった。KANJI NEC,とかPARITY SPACEはここでは使えないとかいわれてしまう。何回かやってみるが同様。
結局これはいまでも分からないが,とにかくこの前のように手で入力してやればOKなことがわかった。
なんたって,Kermit自体,泥縄で良く分かってない,まあしかたない。次にTYMPAS接続。これは思わぬ所で引っかかった。
「7ビットだから,TYMPASはAで接続」と思いこんだ。NISJPN,PC-VANに接続までは行くのだが,そこでストップしてしまう。
「PC-VAN側の問題じゃないかな?」 高田さんが,「もう1回やりなおして」とかアドバイスしてくれる。
やりなおし,やりなおし。何回かやっても,いつも同じ所で止まってしまう。しかし,シフトJIS設定のマシンでは正常につながる。PC-VANのせいではない。
時間はもう5時をまわった。出かける時間が来ている。
「うーんこりゃ,だめかな。」ギブアップしかけるが,最後にO(おー)で接続してみると,なんとこれでつながった。
Oってのは,シフトJISの時だけと思っていたのだけど,要するにいつでもOでつなげばOKだったのだ。5時15分,一件落着(このあたりは,TYMPAS使ってない人は,そんなもんだと思ってください)。すぐにタクシーに乗って出かける。場所はAlexis Park Resortで,かなり空港の方向に戻ったところだ。
Alexis Park ResortAlexisはホテルなのだが,ビルになっているわけではなくて,広い敷地に1戸だてが点在する?といった感じのところだ(高そう?)。
プール群やら点在する各戸方面に迷ったりしながら,ようやくここのコンベンションでおこなわれているパーティにたどりついた。
それ以外にも,庭に大型テント(サーカスでも入りそうな大型のやつ)を張ったり,あちこちでパーティが行われている。
受付に行ってみると,高田さんところにこのパーティの案内を送ってきた,広報会社のスーザンさんが待機している。電子メールで連絡が入っているので,すでに我々の名札はできていた。
紙のシールになった名札を上着の胸にペタと貼り付ける。
スーザンさんの案内で中に入ってみると,たいして広くないホールは人でいっぱい。隅の方になん箇所か丸いテーブルが置いてあるが,それ以外は立ち席で,みんな立って思い想いの話をしている。
一番奥のテーブルにエリクソンGEのビルさんを見つけた。
Mobidem今日は高田さんにMobidemのセットを貸してくれるので,それのデモと使い方説明を受けることになっている。
名刺交換して座ると,タイトルにMTAKADAと入った高田さん用のマシンがすでに用意されていた。モビデムとHP95LX(去年デビューしたHP社のパームトップというより電卓の兄貴分といった感じのマシン。XTコンパチでロータスなどのソフトがバンドルされている)。
高田さんのとビルさんのと2台のセットが約50cmはなれてならんでおり,この1台から,カリフォルニアのホスト局に送られて,一瞬の後には50cm横でピとなるとこれがメールが届いた印だ。
この時点で,モビデムと言ってきたけれど,それはハードウエアの無線モデムの名前で,これとHP95とセットになったシステムがViking Express,通信システム自体はRadio Mailというのだと言うことがわかる。
Radio MailからMCIメールにゲートウエイして高田さんのMCIアドレスに手紙が届くという仕掛である。
最高通信速度は9600bps。実際のスループットが8000bpsというところ。この場で出来るような短いメッセージならば瞬間でピと返ってくる。
比較が意味ないかもしれないが,NetWareのメールより速い。何通もやりとりして,使い方はだいたい分かったようだ。そこへスーザンさんが,「時間がすぎてる」とビルさんを呼びにきた。今日は何人もこのようなレクチャをする人がいるから忙しいのだ。
「じゃまた,この中にはいるから」と彼は言って小走りに去った。次はRadio Mail社の人。COMPAQとの接続のことを聞かなくてはいけない。とにかく,Mobidem自体は8Pのモジュラで出力しているので,これをIBMのシリアルとつなぐケーブルが必要だとわかる(これは宅急便で手配して,火曜日にはやってくることになった)。
あと,デモソフト。HPに乗っているのと同機能のISA用をCOMPAQにインストールしてくれる。受信はTSRになっていて,メールが来るたび,Mobidemがつながっていれば,知らせてくる。
エディタと送信はコマンドラインからの立ち上げになる。とにかく,今日の所はこれまで,ということらしい。ケーブルがなければとにかくお手上げなのだ。
高田さんがどこかにいってしまって,僕はエリクソンのマニュアルを読み始めた。
Internet,CompuServe,ATT Mail,Sprintnet,MCI Mail,UUCPにはゲートウエイ出来ると書いてある。
Tymnetはどうかわからない。これがつながらないと,PC-VANどころではないのだが。
それにしても,ごつい指のビルさんだが,すごい速さでキーをうつ。この人達の場合,HAでも大丈夫なのではないかな。
少し,食べたり飲んだりしていると,さっきちょっと話した英国人ジャーナリストのひとがやってきた。「どうだ,これは?」という。「いまのままだと,8ビットコードが通らないから,日本では使えないし(ほんとは郵政省が認めるかとかいう問題が大きい),高田さんは年に100日もアメリカになるから必要だけど,僕は日本だから,必要ないね」というと,「英国でも同様に移動体は普及していない。早すぎるね」とこの人はいった。
日本の場合は,実はほとんど同じようなものを見た事がある。CSKが作っているやつで,やはりモビデムサイズのワイヤレスモデムにSHARPの電子手帳がセットされているやつ。シティメディアに接続するようになっている。最高速度はやはり9600bps。
東京都内や埼玉,横浜ではサービス可能なはずだ。
とはいうものの,データショーかなんかに出ていてもまだ確かに早すぎて話題にもなっていない。
アメリカのすごいところは,ことしの頭にアナウンスがあったこのシステムがすでに全米で使用可能なところだ。日本のはシステムは存在するものの,いつ本格的に運用されるかなどはほとんどメドなどないだろう。
(などということを説明したかったのだが,ボキャブラリの不足にて,うまく伝わったかどうか?)
アメリカでは電子メールシステムが日常的に使われるようになっているから,商売が出来るけど,日本などではまだそういつ体制でないから,どうやったら商売になるか,何を乗せればいいか,などを探査中というところなのだ。
あと,モビデムは国際製品だという事も記録しておかなければいけない。
Mobidem本体はスエーデン製。電池の充電ステーションはフィンランド製,ニカドの電池もスエーデン製で,ACアダプタはドイツ製。
日本でやると,たぶんオールMade in Japanのケースではなかろうか。これの場合,そういった北ヨーロッパ連合軍がアメリカで戦っているという形である。
なるほど,などと言っているうちに高田さんが戻ってきて「帰りましょう」といい,パーティを後にすることになった。
ホテルに帰りつくと,少し原稿書きを始めたのだが,完ぺきに弱りがきて,そのままベッドに倒れこんだ。
こうして,あわただしいラスベガスの1日目は終わったのであった。
TAKECHANG
Takechang の冗談半分 #218 | 92/11/17 12:21 |