Takechang の冗談半分 #232  92/11/21 3:53

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Amtrak 2

Amtrakの車掌は5人ぐらいいるが,全員白人の男だ。全員が携帯無線を腰につけていて(空港で持っているのと同じようなの),常時なんかの連絡が入っている。XX列車がXXX駅を通過したとか。

客車は少ないものの,貨物列車は比較的何本も走っているし,複線区間はそれほどなくて,単線の区間が多いからこういう連絡網がなければ,島原鉄道になってしまう。アメリカで列車というと前世紀の遺物みたいな感じだが,必要なところではしっかり投資をしている。

単線なので,ときどき待合い所があってそこでどちらかの列車が待つわけだが,対向側が来るまで出ない,という基本的なことはきちんと行われている。

前方に踏切があるところではあの独特の3音同時ぽわ〜〜〜んという警笛を必ず鳴らす。何回も何回も。

安全にはかなり気を使っているようだ。車内の安全については,車掌のほかに拳銃をもった警備員が2人常時巡回している。

しかし,やたらなよっぱらいとか,妙にからむやつとかはいなくて,治安状態は良好なようだ。

さて,また時間を追ってのメモの続きを見ていく事にしよう。

10:40
出発。列車はゆるゆると走っている。特に遅れを取り戻そうとかいう気はないようだ。これではロス到着は夜になってしまうかも知れない。到着場所ははっきりわからないけど,たぶんダウンタウンだ。暴動の起きたあたりかもしれない。ちょっといやだなあ。まあ,乗ってしまったのだからいまさら後戻りはできない。

10:50
一面の砂漠になった。砂漠といってもサハラとかの写真で見るような本当に砂だけというのではなくて,赤茶けた土の上にほぼ一面ふすぐれた緑か茶色の低い草のようなものでおおわれている。

展望車の下はレストルームとスナックなどになっているようだ。食堂はついていないようだ。やっぱりポテチとチョコレートを持ってきて正解だった。

Amtrak

Amtrakというのは1つの鉄道会社かと思っていたけれど,そうではないようだ。会社自体は幾つにも分かれていて,Amtrakというのはそれの共同体として,予約やら列車の配分などをしている存在らしい。

隣の人に車掌が語ったのを聞き込んだのによれば,今走っているのは,Union Pacificの線,カリフォルニアにはいると,Santa Fe鉄道ということだ。

それにしても,この列車は揺れが少ない。座って字を書いていてもぜんぜん気にならない。線路の幅がひろいからか? しかし,日本の新幹線などでも細かい振動があって結構書きにくいものだが。速さでは新幹線が2倍上だけど快適性ではこっちのほうが断然いいのではないかと思う。

11:10
停止。貨物列車と行き違うようだ。貨物列車は先頭に3台の機関車が連なっている。こんどはたぶん,103とかの貨車を数えた。通り過ぎるまでに5分かかった。

11:16
スタート。道路と平行に走りだす。インターステート15号かもしれない。車の場合はあれでロスからラスベガスに来たのだな,と思う。大抵の車の方がAmtrakより速い。たまにおそいやつもいる。というところから考えてAmtrakの速度は100km/hぐらいなようだ。

11:35
鉄道にそって,幅2mぐらいの川が現れた。泥水が流れている。砂漠の川だ。しばらく,たぶん5分ぐらい走ると唐突に川は消えた。砂の下にもぐったのだろう。

12:05
貨物列車とすれ違う。なんといったらいいか,西部劇に出てくるサボテンのように幾つも枝の出たさきっぽにタワシをほどいたような棒状のはっぱがついた木が点々と生えている。遠くの山までずっとそんな景色だ。木の高さは1〜2mぐらい。だんだん木が増えてきて,ほとんど1面の林のようになってきた。

13:10
外の景色が岩山に変わった。赤茶けた岩。ポテチは食べ終わったが,隣の老夫婦がサンドイッチを食べているのを見て腹が減ってきた。どこでかったのか?と聞くとこの下で売っているという。

じゃ,鞄みててくれますか,あいいよ。というので買いにいく。ちょっと軽率かな,とも思ったけどたぶんこの列車内は問題なさそうだ。みんな鞄など置いたままあちこちうろついているから。

せまい階段を降りていくと,そこは4人がけ向かい合わせのテーブル席になっている。テーブルは4つ。ここで食べてもいいようだ。

先頭側の端がトイレ。入ってみると昔の列車式に水を流すともろにしたの線路に向かって流すやつだった。環境問題にうるさいアメリカで,いいのだろうか?

売店にいくと白人ブロンド40歳台?のおばさんがうさんくさそうに見る。東洋人はあまりいないからか? 僕の前の男が,$5.65買って$10札を渡した。おつりに$5.35を渡している。男が違う,といっておばさんは電卓で計算しなおした。

僕の番。サンドイッチください,と注文する。「どんな?」とおばさん。「何があるんだっけ?」 右の表を見ろというそぶり。ツナにする。

「それだけ?」「そう。」なんだか,つっけんどんなおばさんだ。$3.50。$10札を渡したら,また$7.50返してよこした。どうも,このおばさん,ケタの繰り上げ繰り下げということが出来ないようだ。

それでも,電卓を使わないで(キャッシャがなくて,ただ電卓があるだけ)暗算でやっている。これじゃあ,盛大なまちがいだろうなあ。みんな,ちゃんと教えてやっているのだろうか。

13:30
とうとつに,ラスベガスの食事シリーズをかかなくちゃいかんかな,と思う。えーと,昨日の尻のでかい(肩幅より,シリの方が広い)給仕の女が勧めたワインはなんだったけ。しかし,強引に自分の選択を客におしつけるやつだったなー(また書くけど)。LAについたら高田さんに聞く事にしよう。

13:50
貨車基地のようなところに止まった。ここが次の駅,Barstow? 高い煙突のある工場群があるが,人家はまばらだ。この列車は駅到着のアナウンスもないのだろうか。Desert Marketというマーケットがほんとにぼろぼろになって打ち捨てられていた。

14:13
突然,放送が入った。あと数分でBarstowにつくという。たしかに家が増えてきたけど,みんなみすぼらしい。ほとんど廃虚のようなところにそれでも,何人も人がいるから住んでいるのだろう。黒人が多い。

14:18
Barstow到着。レンガ作りのかなりりっぱな駅舎だ。LVから乗った東洋系の親子が降りた。駅で記念写真を撮っている。


ここまで書いたら突然フロントから電話が来た。まだ9時だけど,早めにトランスポートがきたから乗らないかと言う。じゃあ,ということで大急ぎで荷物をまとめた。


さて,ここまでをLA国際空港からアップロードできるか? 目の前にデータポートつきの電話機があるが? もしできたらおなぐさみ,っと!!!

TAKECHANG

Takechang の冗談半分 #232  92/11/21 3:53