Takechang の冗談半分 #233  92/11/21 3:57

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Amtrak 出発

けさは,6時に腕時計の目覚ましをかけて置いた。めずらしくというか,さすがにというか,こんな早い時間にちゃんと起きた。

顔をあらったりしていると,高田さんも起きてきて,「時間があるなら食事をしていったら」という。あと1時間ぐらいは大丈夫だ。

カジノの中を迷って(僕も高田さんもあまり方向感覚は良くない)朝からやている食堂についた。

高田さんが「スープはないか」というけど無くて,ラーメンになる。僕は目玉焼きにハム,トーストを注文した。

このところ,いつもならガブ飲みしているcoffeeを飲んでないから,朝からちょっと目がさめた。

高田さんのはインスタントラーメンだけど,きっちり1個ある。アメリカじゃあ,これでスープがわりか? すげー?

しかし僕はどういうわけか,アメリカにいるからなのか,やたら食べられる。朝なんていつもは食べた事がないが,きっちり食べているし,夜は夜で1人分きっちり食べた上に例によってワインのお相伴にあずかっている。その割には,ズボンは緩くなっている。

これはやっぱり,「足で取材」してるので,その分エネルギー消費が多いということだろう(でも,OGAWAさんのところに前,5分走っても80kcalとかでてたなあ。運動療法じゃあたいしたことがないはず?)。

さて,食事をした後は清算。約束の部屋代を支払う。ハズカシながら,ドルでは手持ちがなくて,円で支払った。

どうもいろいろとお世話になりました。そしてまたよろしく。

恐縮ながら,高田さんは僕の荷物を1つ持ってくれ,タクシー乗り場まで送ってくれた。どうも,ほんとにお世話になりました。

黒人の運転手のタクシーは昨日と違う道をいく。あれ,と思ったが,これがフレモント通りだった。最初予約していたホテルがあるところだ(同じチェーンのホテルはSandsの近くにもあって,高田さんに教わった)。

昨日と同様にホテルのようなところに着いた。カジノを抜けて待合い室に行くと,また例によってチケットオフィスの前に紙が張ってある。
「ロサンゼルス行き35便 9:45到着予定。」
なんだなんだ,最初から2時間も遅れている。

待合い室には20人ぐらいいる。でもそのうち,10人ぐらいはこれから出るシカゴ行きバスの乗客だった。黒人客が多い。

一方,ロスエンジェルス行きの方は,白人の年寄りが多いようだ。もっとも,だんだん人が集まってきて,高校生ぐらいの白人の女の子グループ,インディアンらしい東洋系の顔の母子,バックパックを背負った若い男などが増えてきた。黒人客は2〜3人。東洋系も僕を入れて3人。

東行きバスは8:10に出発していった。こっちは定刻の出発のようだ。

8:15ぎりぎりにくる人がまだ来る。ぎりぎり時間に来る人というのは気が短くて,「なんだ,2時間もおくれんのかよおお」とかわめいている。

ボーイに盛大な荷物をもたせたばあさんがやってきて,「あーらおにいさん,2週間前に来るときだって2時間おくれたのよおおお」などと言っている。

とにかく,あと1時間以上あるから,郵便局にいく人,バクチにいく人(この駅の中にカジノがある。ほんとにラスベガスはどこでもカジノ,カジノだ)それぞれに荷物を預けて去って行く。

僕は特に行きたいところがないので,待合い室に待機だ。

8:25
さっきから止まっていた貨物列車が東をさしてスタートした。長い。貨物車50数台まではかぞえたが,後は面倒になってやめた。先頭に牽引車が3台直列につながっており,貨物は実際には100台はあるのではないだろうか。走り去る後ろ姿をカメラに納める。

駅から最後の1台が出て行くまで,約5分だ。とにかく長い。Amtrak客車のほうもこんなんだろうか?

9:00
1車両に15台づつの乗用車をのせた貨物が西へむかう。Southern Pacificとなにやらソフト会社のような名前(たぶんここから取った)の気動車が引っ張っている。

9:45
待ち客は30人に増えた。飛行機に比べて安いわけでもないし,時間は数倍かかるのに結構利用者がいるものだ,と感心する。到着10:00のアナウンス。

10:00
張り紙,到着10:15。例によってチケット売り場の男はどこかにいってしまう。これから列車がくるというのにいなくていいんだろうか。そろそろ列車が来るはずなので,先頭の気動車をカメラに納めようと,外に出てまつ。

隣のビルの屋上に10:03,55F,13Cと出ている。気温は13度。トレーナだけだとちょっと寒い。なかなか来ない。

10:30
遠くを見に行っていた男が「来たぞ!」とさけぶ。僕にはまだ見えないが……あ,光が見えてきた。あれだろうか? カメラを構えて待つ。先頭車がヘッドライトをつけているのだ。

ようやくやってきた。貨物列車と違って短い。先頭車は動力だけ。ディーゼル機関車のようだ。その後ろに,展望車,Coach(普通のイス席)が3両,Sleeping Car(ここにボックスの席もある)合計客車が5両。

すべて2階建てになっていて,下は荷物室とか食堂など,客室も一部あるがあまり数はないし,景色の点でも2階のほうがいいだろう。

結構相当な数の人が降りてくる。いい加減にいえば50人くらいは降りたのではないか。

乗車を待つ列の中にいると,突然車掌が,「タカーダー,タカーダー」と呼び始めた。なんだ? そうだ,僕のキップは高田さんが予約したから,名前がTAKADAになっているのだ。

TAKE: 「はーい。」
SHA: 「あんた,タカダ?」
TAKE: 「そうだけど。」
SHA: 「じゃ,ちょっとこっちにきて,チケット見せて。」
SHA: 「あれ,コンパートメントじゃないのか? 予約ではそうなっているが。チケットはコーチ(イス席)だな。」
TAKE: 「昨日,予約を変更した。」
SHA: 「こまったな,イス席は2つないぞ。」
TAKE: 「あー,もう1人の男は今日は来ない。」
SHA: 「そうか,じゃOKだ。」
ということで,めでたく,乗車の列に戻った。たぶんボックス席専用の車掌なのだろう。乗車人数はだんだんふくれあがって,たぶん40人ぐらいのようだ。

3両目のところにだけ,入り口がついている。プラットフォームなどはないからそこに踏み台が出てきて,それに乗って乗り込むしかけである。

最初,そこにスロープを渡して,車イスの人が乗り込んでから乗車が始まった。通路は狭い。1人がまっすぐ歩ける程度。入るとすぐに荷物室があり,みんな勝手に手荷物を放りこんでいる。

僕はカメラとか,PCとかがあるから,あくまで自分で持っていることにする。内部はだいたい高さ2.2〜3mぐらい。よほど背の高い人でもたって歩ける。

シートは左右2席づつ,4席が十数列/車両だ。せまい階段を上がって上の席を見て歩くが空いているところがない。全車指定席(全員ぶんの席があるという意味で,席自体は乗り込んでから車掌が決める)。

結局先頭の展望車まで来てしまった。ここはほぼ半分空きだ。席の数には入っていないのだろう。まあ,いいか,ということでここに座る。360度回る一人がけのいすが片側に18,もう片側は二人がけのこれも回転イス。

するすると出発した。時に10:40。

さーて列車の旅の始まりである。

TAKECHANG

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