Takechang の冗談半分 #248 | 92/11/29 22:12 |
僕はエーゴが出来ない。
中国人の番頭に助けてもらわなければ,ホテルにも泊まれない。サミシーぜべいべい。いえい,だ。
ということで,こりゃーなんとかセネバと決心したのが,先先週ピーカンのロスであったのだ。
とは言っても具体的にはなかなかどうにもならない。BS NHKじゃあ,CNNは一日中やってるわけではない。ビデオに撮ろうと思ったが,セットを忘れて寝てしまった。
こうなれば,テープでも聞くかなあ。誰も満足にはなせる奴なんていないくせに,不思議に英会話テープなるものを持っている奴は多い。
(本当は,相手がなくてテープ聞いてたってそんなに興味が続くもんかと思う。)
というわけで,会社の同僚からテープを借り出してきた。
毎月1本づつテープが送られてくるというやつである。
でも,再生するものがない。同僚は,「車で聞けばいいじゃん」と宣うが,運転しながらワケの分からない「今月のニュース トピック」とかを必死になって聞くというのも結構あぶない。
朝のJ-WAVEジョン・カビラの場合はすぐ後で日本語解説があるから,ほぼ分からなくてもデージョービという安心感があるからいいが(そのせいでいい加減にしか聞いていない。カビラ氏はさすがにアナウンサーだけあってはっきりしているからいいが,電話される相手は市井の人なので,あまりはっきりした発音をしない。特に低い声のおじいさんが相手だと,車の騒音に埋もれて良く分からないことが多い),なんとかこれをキキトラネバなんて車の運転中にやっていると,つい運転なんておろそかになってしまいそうだ。
というわけで,熟慮?の末,「とにかく,持ち運びできるテレコを買う必要がある」という結論に達した。ウォークマン(文法的におかしいそうだが)は外の音が聞こえないので,嫌いだ。小さいスピーカが付いたやつがいい。
電気屋をウロついてみるが,これが今時あんまりないのである。大体は,ヘッドホンステレオというやつで,スピーカ付きのはあんまりない。あっても,安いのはいいが,プラスチックの箱おりまげ式のやつで,やたらデカい。
ちょっとあまり持って歩きたいようなものではない。中で,SONYの会議用24000円とかいうのがよさそうだった。1軒は値段を引かないというのでパス,次の1軒は在庫無し。
なかなか買えないのである。今って,あんまりこういう用途でカセットテープを使うヤツがいないのだろうか。ぼくの子供のころなら,「エーゴ習うから」ってのがラジカセ買ってもらう殺し文句だったけど。いまはどうなっているのだろう。
my first Sonyふと,隣のテレビ売り場の隅を見たら,そこに,my first Sony シリーズ,つまりSONYの子供向けAV機器のコーナーがあり,「全商品 5割引き」となっているではないか。
カセットプレーヤもあって,定価で8000円とかいうから今日なら4000円じゃないか。うん,安い。ここで安物買いの僕はムラムラと来た。
とまあ,ここでカセット買って帰ってくれば何のこともなくて,「安物買いにハマったおっさん」というだけの話だった。
ところが,実際には「グラフィックコンピュータ」なるものを買ってしまったのである。これは,いわゆるお絵描きボードの電子版というやつだ。
現場でデモしていたので,ついハマった。面白い。12色のカラーパレットがあり,ペンの太さが3種類,付属のペンでパレット上に描いた図形がビデオコネクタ接続でTV上に表示される。全体的には昔のMacにバンドルされていたMacPaintのサブセットで,カラー版といった感じである。
子供でも普通に扱えるように解像度はちょっと荒いが,そのせいでクレヨンで描いたようなタッチがでる。
弱点は絵のセーブができないことだが,これはビデオ信号であることの強みで,VHSのカセットに録画できる。
単なるビデオゲームというのだとなんとなく,創造性というのを感じられないが,これだと,自分で色を決めて形を決めて……という若干のゲージツ性というものがあるような気がするではないか。
Speak & Spell持って帰ると,案の定みんなハマった。子供はもちろん,大人もハマった。昔,TIのSpeak & Spellという音声合成で単語をしゃべるおもちゃにハマったことがある。あれも,音声合成でしゃべった単語をキーボードから入力して当てるというゲームで,スペルををまちがうと,「違うよ。正しいスペルはね……」と来るし,あってれば,「正解。ガンバロー」などといいやがるので,つい面白くなって深夜まで遊んでしまったものだが,グラフィックコンピュータもそのたぐいである。コンピュータゲームが面白くないタイプの人間もハマる。
結構一日みんなで遊べて,面白い。こないだ見たマルチメディアでもなにやら日本のガジェット(おもちゃ)屋さんは元気だったけど,やっぱりそうなのだろうか。
TVを見ていたら,コナミ工業からも同じようなPicnoというお絵描き板が発売になっていたけど,このたぐいははやっているのだろうか。
こういう,ガジェット分野では日本製品も確かに面白いし,これは,という特徴があるのに,なぜマジに作る(ガジェットだってマジでやっているだろうとは思うが)PCとかのもので,これは,ってのが無いのだろうか。
フシギな現象だと思う。マジに作るものってのはついマジになりすぎて,面白くもなんともなくなってしまうのだろうか。僕も,こないだまで開発部隊にいたけれどそういえばたしかに,「本当にいいかどうか」より,いかにして社内の稟議を通せるか,みたいなことを優先していた感がなきにしもあらず。こういう態度では本当にいいものは生まれないだろうな。とすると,PC屋さん,家電やさんはこうで,ガジェットやさんはそうじゃないのだろうか? どうしてだろう。
日本の工業製品のフシギを考えてしまったが,ボクの自慢の英語(できず)をなんとかするための物件は忘れてきてしまったのだった。
TAKECHANG
Takechang の冗談半分 #248 | 92/11/29 22:12 |