Takechang の冗談半分 #313 | 93/ 2/22 19:25 |
2月21日
いままでもちょぼちょぼ書いてきたが,台湾の交通事情について。
スクーター,とばっかし書いているから,車はまだ少ないのか,と思われるかもしれないが,実は車もすごく多い。
日本車オンパレードだが,シトロエンやBMW,ベンツといったのもたまにいる。フォードブランドを付けている車は多いが,フェスティバ(5ドア)とかカペラなどのマツダ車である。
タクシーではこのフォード版カペラとサニーなどが多い。サニーは1300ccのか,1500ccのディーゼルを多く使っているようだ。
個人タクシーではカローラなんかもいるようだが,日本のタクシーに多いセドリックとかクラウン(たしかクラウンは輸出していない)はタクシーにはない。軍とか政府の公用車にはセドリックが多いようだ。警察はマツダフォードが多い。
一般の車ではシビックやアコードも多いようだ。
タクシーが黄色に塗ってあるところはアメリカ風なのだが寸法が2回り小さい。
日本の団地とかに行くと,日曜日は車を磨きまくっているオジの姿をよく目にするが,台湾では車を磨くという習慣はあまりないようだ。
ほこりだらけの車が普通だし,損害保険協会がよびかけなくたって,バンパーがちょっとこすったぐらいではだれも交換しようなどとは思わないらしい。
CREAMさんも書いているようにウインカーレンズが割れた程度は平気だし,ニューヨークのような,ほとんど廃虚!のタクシーとまではまではいかないものの,ドアなんかかなりぼこぼこの奴も平気で走っている。
オートマ比率は比較的高いようだ。来たときの白タクもオートマだったし,街で聞くエンジン音もオートマが多い。
車の多さにくらべ,台北中心部ではガソリンスタンドがあまりないのも,ちょっとヘンに思うところだ。
植物園の帰りに小さなスタンドを1つだけ見かけたぐらい。日本と同じように店員が入れてくれる式だ。高級無鉛(ハイオク?)と普通無鉛がある。
車の走り方で特徴的なのは,交差点では車が優先なので?どの車もめいっぱいアクセルをふんでやってくるということ。
前の信号が赤でも右には曲がれる(アメリカと同じ)から,たとえ歩行者信号が青でも曲がる車が通り過ぎるまで待たなくてはいけない。
お車様が先で人は後なのである。
これはスクータでも同じ。台湾のスクーターは日本のと同じでホンダやヤマハやスズキ(スズキだけはブランドがSAMYANG)のオートマチックであるが,排気量は90から100ccぐらいである。中には125から150ccのもある(ベスパは150が多いようだ)。
車より車重がヒトケタ以上かるいので,0−10mぐらいの加速は非常に速い(距離が長くなればしょせんはスクーターであるが)。
信号が変わった瞬間にスクーターの一群が飛び出してくるから,信号だけを見て不用意に車道に出ると命取りになりかねない。
実際,ぐちゃぐちゃになって血がこびりついたりした,ナマナマしい状態で放置されているスクーターもいっぱい見かけた(車も)。
だいたい,台湾の人がマスクマンになってスクーターにのる理由にヘルメットをかぶらないということがある。
僕が初めてバイク免許を取った頃は日本ではすでにヘルメットは義務化していたが,50ccのスクーターはかなり遅れてから義務化したと思う。
これがめんどうだということで,かなりスクーターユーザーが減ったらしいが,台湾では,まだ故石原裕次郎の太陽族状態である。
2人から3人のりでも,だれもヘルメットなんぞしていない。
ヘルメットがないのか,というとそんなことはなくて,たまーにしている人もいるし,中華商場にはヘルメット専門店もあった。
(あのマスクは台北駅前の歩道橋上で1個NT$30,2個$50で売っていた。日本のカゼ用を1回り大きくした寸法だろうか,かなりでかい。)
今現在でも台北の大通りは片側3〜4車線あるし,さらに,いま続いている土木工事が終わればその2倍ぐらいの道路になるだろう。
この幅だと信号1回で渡りきるには,ほとんど全力で走らないと間に合わない。
台北の信号は黄色がほとんど瞬間しかないので,青(緑)だからといってゆだんしてはいけないのだ。信号が替わる前にフライングしてくる車も多い。
日本などでは人が先という事になっているのでまだましであるが,この無政府状態では台湾の交通事故はどんどんひどくなるだろうなあ,という感じがする。
そのほか,交通関係。税制の関係からか,スクーター以外に多いバイクは125ccよりも135とか150とかいうような妙な排気量のやつだ。
日本の125ccと同じフレーム,というより同じ作りで,ただエンジンだけボアかストロークアップしてあるというようなものらしい。
そのほか,排気量は大きくても250ccまで。日本のような400とか750,それ以上などというのはまったく見かけなかった。
ただ,警察の白バイだけはハーレーとかBMW R100RSなどの大型を使っている。日本以上に白バイ警官はあこがれのマトなのだろう。
車でも同じような関係なようで,スズキや三菱の軽トラック,軽ワゴン(乗用車のアルトとか,ミニカは見ない。キャリーとかミニキャブ。スバルのドミンゴも結構いる)はたくさんあるが,排気量は1000ccぐらいになっているようだ。
日本では660ccというワクがあるのでターボとかでごまかしているが,ここではそういうのがないから,同じパワーならば単なる無過給のエンジンのほうがいいということなのだろう。
そういえば,台湾そのものは山が多いということだが,台北市内はほぼ平らなので,自転車があるていどいてもよさそうだが,ほぼ皆無に近いぐらいいない。
これを推定すると,1つは,中国大陸などお金のないところではどうしても安い交通手段が必要だけど,お金があるようになれば,人間できるだけラクをしたくなるという事がある。日本では逆に健康のためとか言って,体を使うことがステイタスシンボルのような状況があるが,ここではそうはなっていないということだ。
次に,台北ではほとんど商店街にはアーケードが付いており,そこは歩行者が通る。実際には幅2mぐらいはあるのだが,半分はスクーター置き場と化しているので,歩行者がやっと通れるぐらいしか空いていない。
そこで自転車は車道を走るハメになるが,既にご存知の交通事情であるから,自転車が車道に出るなんてことはほとんど自殺行為に近いことになる。
というところが台北に自転車のいない理由だと思う。歩行者も数は多いものの,歩道橋とか地下道は数えるほどしかないから,広い道でもイノチガケで走って横断しなくてはならない。
お車様とおスクーター様の街,台北というところである。
ただ,台北を出て高速道路ではちょっと様子が違うかもしれない。
白タクで来ただけなので断定はできないが,4車線ある道路はひろく,東名などより圧倒的にすいている。
その割には流れが遅くて120km程度の白タクがほぼブッチギリ状態だった。
だから,地方都市にいくならばレンタカーとかでもいいのかもしれない。
(僕は国際免許は切れたまま更新してないので,今回はダメである。それに,海外では疲れるせいか,いつも目が弱って良く見えない。)
竹中 俊
Takechang の冗談半分 #313 | 93/ 2/22 19:25 |