Takechang の冗談半分 #314 | 93/ 2/23 0:56 |
昨日はホテル移動とそれに続くゴタゴタのためにエレショーに行けなかった(というか行く気をなくしたというのが本音)から,今日はぜひもう1回行っておきたい。
この前は開始早々すぎて,まだブースも出ていない所があったりしたので,こんどはなんかあるのでは? という事があるからだ。
ショーの規模としては,晴海で行われる場合のエレショーとインターネプコン(これは半導体その他の製造装置などのショー)を足して2で割ったような規模(ただし,ワンフロアで行われる。それでも合計床面積は晴海の合計ぐらいはあるのではないだろうかと思う)である。
コンファレンスその他はないし,日本で行われるなら1日で大丈夫なような規模だと思う。ただ,言葉やその他の理由でどうしても時間がかかりがちなので,せめてもう1日は行って様子を見た方がいいようだ。
本当は昨日行かなかった理由の1つに,あまりコンピュータ関係がないので,大しておもしろくもない,という事もあったのだが,そこはわざわざ飛行機に乗ってやってきているし,なんとかもうちょっとフォローを……というのもある。
さて,この前は歩いて行ったけど,歩くにはやっぱりちょっと遠い距離である。前のホテルに店を出していた旅行案内のおばさんに,Hiltonのあたりにバス停がある事,市内はどこでもNT$10である事は聞いてある。
その後書店街をうろついて「大台北 聡営公車」というバスの路線案内をNT$50で買ってきた。
もちろんすべて中国語であるが,中身はほとんどバス停の名前が書いてあるだけだからほぼ様子は分かる。
結局,No.1,22,266,503などのバスが世界貿易中心に行っていると分かった。
あと,国父紀念館方面は31,33,212など。こっちの路線がこの前歩いた道をまっすぐに行くようだ。
教わったバス停に行くとバスはひっきりなしにくる。
が,22とかの世界貿易中心方面は通るのだが中央よりの路線を行ってしまい,ここに止まる気はなさそうだ。
212が来たので乗った。停車場所は,同じバス停に同時に来るのが何台もあるので,かなりアバウトな位置である。
とにかくバスが止まったところに人間の方が合わせて乗込む,という格好である。
市内バスは長距離がグレイハウンドと同じのなのに比べ,ほぼ日本のと同じ。左ハンドルなのと運転手が非常に荒い運転をするところが違う。
アクセルとクラッチはONとOFF,2つの状態しかないというデジタル運転である。
立って乗るのは結構ホネで,必ず吊革につかまっていないとコケてしまう。
下りるときはどうするのかというと,テープスイッチのようになったブザーのSWを押すか(これは工作機械の非常SWのように,ゴムの幅1cmくらいのテープがずっと吊革に沿って張られていて,これのどこを押しても運転台でブザーがなる),または運転手の隣に行って立つ。
すると次のバス停で止まるので,日本と同じような運転台脇のコイン入れに$10入れて下りるというわけだ。
Taipei World Trade Center国父紀念館を過ぎたところで下りて,歩いてWorld Trade Centerに向かう。
今日はこの前話を聞けなかったベッド型スキャナを出展していた,TARMAK社のブースにまず行ってみた。
説明員の男はヒマそうな顔でつったっていたので,「説明してくれますか」と英語で聞いてみた。
とたんに,マズイという顔になる。僕らが,英語で道を訊ねられた時についなってしまう,あの顔である。
「えー,えー」といってなかなか言葉がでてこない。
「透過型の原稿をスキャンしてるようですけど,反射原稿はどうなんですか」と聞いてみた。6*6のポジフィルムをスキャンしていたからだ。
どうも分からなかったらしいので,カタログを持ってきて,「これをスキャンできますか」と聞いてみた。
「できる」と言い,やってみせてくれる。90dpiぐらいでスキャンしている。「最大解像度は?何dpiですか」と聞くと,「600dpi」と答が返ってきた。
R,G,Bの順に面順次スキャンしているので画面の色は赤からだんだんにカラーになってくる。
結構時間がかかるので,「インターフェイスは?」と聞くと,「SCSI」(このひとは日本式にすかじいと言っていた)と答え,後ろに回って見せてくれる。
「日本に輸出していますか」という問いには「いない。アメリカだけ」ということで,「US$でいくらですか」には「分からない」ということだった。
カタログをもらってみると,デモしていたのは透過原稿用にバックライトキットをつけた状態ということがわかった。
ISA用とMac用があり,色数は1600万色(8bit*R,G,B)。ほぼEPSON GT6000なみの性能(GT6000もズーム込みだと600dpiとも言える。アメリカ表示では,ズーム込みの大きい数字をいうことになっているようだ)である。
デスクトップマシンを置いているところは今日は結構あったが,あまりめだった性能のものはない(というか,今時,486-33なんてのは,別にかわりばえのしないものなので……)。
ビデオウインドウズボード?のようなやつを売っているところもあって,VGA上にビデオを表示するおなじみのやつ。
例によって中国語で話しかけられたので,「あのお,中国語分からないんで,日本語か英語でお願いします」と英語で言ったらしどろもどろの英語になった。
新型のネットワークTVシステムで……というような事を言っていたようだが,もらったカタログを見る限り,単なるビデオウインドウズなようだ。
こっちの聞き取りが悪いのか,相手がデタラメを語っているのか?
いったい,今日はもう3日め,しかも平日ということもあって,あまりきちんと外国語で説明できる人を置いてないようだ。
この前は聞いたところは大体きちんと英語で受け答えする人がいたから,台湾のが日本より英語に強い感じを持ったけど,けっしてそうとも言えないようだ。
まあ,こっちだって人並なのは日本語だけ,英語は危なくて,中国語は挨拶も出来ない水準だからたいしたことは言えない。
とにかく,その国の事をわかろうと言うにはその国の言葉をしゃべる,これが当たり前だろうという気がするが,そうするとぼくは中国語を習わなくてはいけないってことだろうか。
20台以上のPCを並べてなにやらやっているところがある。中国語なんでよくわからなかったが,これは中国語のデータベースシステム。
中国語FEP?もついていて,dBASEとかではなく,オリジナルのシステムだということだった。ここの人は結構話が通じたのに,ソフトの内容が僕にはよくわからなかった。
次に「30:1 使用前,使用後」などと画面を半分に区切ってデモをしているところ。
ブースにいた人は中国語onlyだったので,となりのブースの人の助けを借りて聞いてみると,どうやらこれはJPEGシステムで,ソフトウエア圧縮をしているらしい。
ソフトでは遅いのでハードでやるのもある,ということで,あとでカタログを送ってくれることになった。
あとこの前から気になっていたLCDを並べているところ。
16字行とか,128*64ドット,大きくても320*240ドットぐらいのTNからSTNをデモしている。
「これは台湾製ですか」とブースにいた人に英語で聞くと,「ないない,ぜんぶにほん製ね」と日本語で返事が返ってきた。なら,日本語が手っとり早い。
「どこ製ですか」ときくと「ナノックス」と答が返ってきた。
Nanoxナノックスというのは,板硝子メーカーの日本板硝子の子会社である。日本のLCDメーカーとしてはあまり大手のほうではない。
「台湾のLCDメーカーはどうなんですか」と聞くと「ダメダメ,LCDむずかしいよ。台湾,ぜんぜんだめ」と返事が返ってきた。
なるほどねー,台湾じゃあまだLCDはできないんですか。なんとなく納得してこのブースを後にした。
ところが,ボールのちょうど反対側に日本からITO付き板硝子(LCDの原料板)とかスペーサ(LCDの厚みを保持するために入れる,厚み保持用の粒子),液晶注入装置などを輸入している会社のブースがあった。
ここでは,カラーSTNの構造説明図まであるし,バックライトはいわゆるサイドライト式の薄型640*480サイズ(8〜10インチ)のまである。
これは台湾で売る目的なのだろうか? さっきの話からは台湾にLCDメーカーなどないように聞こえた。
で,ここの人に聞いてみた。「これは台湾で売るんですか。」「そうですよ,台湾にもLCDメーカーがありますからね。」「あーそうなんですかあ,いくつありますか。」
「全部で10社,6社はTNレベルで2社はSTN,あと2社はR&Dレベルだけど,TFTも出来ます」とのお答え。
ここで調子に乗って,「じゃあ,その会社名を教えてください」というと,「いいですよ,あんた漢字読める?(注:このひとは日本からの輸入商社というわりには終始英語だった)」というから,「ぼくは日本人だから,たぶん大体読めると思います」というと,僕の取材ノートに書いてくれた。
TN:富相,美相,堤華,蕎富,勝華,光朕
STN:碧悠,南亜
TFT:元太,朕友光電
と書いたように見える。何分,旧字なので,読み間違っているかもしれない。「英語の名前は知りませんか。いうと,富相がGOLDEN TECHというのしか知らないという話だった。
ともあれ,日本でもLCDメーカーはせいぜい20社であるから,台湾もあなどれない実力を付けてきているのだろう。
しばらくすると,LCDといえば日本,の図式も変わってくるかもしれない。
竹中 俊
Takechang の冗談半分 #314 | 93/ 2/23 0:56 |