Takechang の冗談半分 #322 | 93/ 2/24 21:17 |
今日も朝から天気が悪い。観光オジにはあまりうれしくない天候である。
観光案内のソースが前のホテルにあった日本人旅行者むけの「台北みどころMAP」というものだけなので,もうあらかたウロついてしまった。
あと行ってないのは龍山寺と忠烈祠ぐらい。忠烈祠というのは靖国神社の台湾版とでもいうのか,革命の為に戦死した中国国軍将兵の霊がまつられているところである。
どうも,この手のはあまり好きじゃない。で,午前中龍山寺へ行く事にした。
この前行った植物園のちかくらしい。
で,植物園方面に歩いて行ってみた。平日の植物園はリタイヤオジのたまり場である。手持ち無沙汰そうにベンチに座っている。なんとなく,この年齢層,どこの国も同じだなあという感じがした。
中に大極拳をやっている人もいる。「おかあさんといっしょ」でやっているやつよりも圧倒的に動きが遅い。スローモーションのように動いている。あのほうがかえって体力はいるものなのだろうか。
植物園をでてから道に迷った。うろうろしているうちに,鉄道のガードのようなところにぶつかった。
そういえば台北駅があるのに電車はついぞ見た事がない。線路もないから,どうやら地下鉄になっているようだ。
で,たぶん郊外にきているから,ここで地上にでてくるのだろう。そう考えて,ガードぞいにしばらく歩いてみた。
すると跨線橋があった。上に上ってみるとそのすぐ先が駅。行ってみたら萬華火車站と書いてある(あれ,こんな字って日本語にもあるんだ。つくりで調べてみたら出た。駅と書いていたのはこの字である)。
プラットホームが4つ。比較的小さい駅である。時刻表を見てみると,基隆行き,松山行きの電車が1時間に1〜2本走っているらしい。その他,長距離の復興というのもたまに走っているようだ。
時計と時刻表を見るとあと10分ぐらいで基隆ゆきが来るらしいので,跨線橋の上に陣取ってチャンスをまつ。
定刻3分前,音もなく電気機関車に引かれた列車がやってきた。すぐ次に,逆に台北のほうからディーゼル機関車に引かれた列車がやってきて駅を通過していく。長距離の特急はディーゼル,ローカルは電車らしい。
定刻ぴったりにヘッドライトを点灯すると,またすーっと電車は出て行った。
ごみ箱の上に乗って網のガードをよけて,数枚写真を撮った。
駅前の道はなんだかごみごみした印象。横町がマーケットになっているらしいが,まずは龍山寺へ。
龍山寺それほど大きい寺ではないが,まわりをれんがの塀に囲まれ,中国式のドハデな彩色がされている。
参拝者はやはりとしよりが多く,長い線香をたくさん買って,あちこちの廟に供えてまわっていた。日本と同じくお賽銭箱もあるが,賽銭を入れる人はいないようだ。
台湾式のお祈りは手を合わせたまま3回おじぎをするらしい。あるいは,宗派によるのか,床に膝をついていわゆる「平伏」の形でやる人もいる。そのためにちゃんと,膝当てマットが置かれている。
廟を出ると,寺門の回りには汚い服装のホームレスふうの一団も大勢たむろしている。
実は台北ではあまりこういう人を見ない。駅前の歩道橋に数人の物乞い(物売りは大勢いる)がいたり,あと中華商場の地下道に寝ているホームレスが2〜3人いるぐらいである。これから,台湾も発展一方の経済とは行かなくなるだろうから,こういう人も増える傾向にあるのかもしれない。
さて,寺を出てきたらさっきのマーケットへ。これはなかなか圧巻だった。せいぜい道幅1mを残して,その両側はありとあらゆるものを売る1坪店がひしめいている。
衣類あり時計,金物,干物,果物,肉。肉はブタとかはヒズメがついたままのが,でかいマナ板の上に置いてあって,客の求めに応じて切って渡す。
魚はフナとかが水槽で飼われていて,たまに水槽から飛び出していたりなんかする。すっぽんとか,ウナギ,エビも竹のかごの中で生きたまま売られている。
トリはいちばん圧巻で,なんと鉄のオリの中に飼われており,客の求めでシメて渡すのである。まあ,新鮮といえばこれほど新鮮なのもないわけだが……。
こういう店が延々と数百m続いている。さらに横町があって,網の目のようになっている。中には,食堂というか,ラーメンとかを出す屋台に毛の生えたような店もたくさんあった。ラーメンと一口に言うが,メンとか上にかけるものとか,タレとかものすごいいろいろの種類があるようだ。メシ屋はふつうの茶碗にメシをとり,あとおかずは勝手に好きなのを持ってきて食べるというようなスタイルだった。
三水街市場日本でも昔のヤミイチというのはこんなもんだったんだろうなあ,というような風景が延々と続いているのであった(メモを見ると三水街市場というらしい)。
ふつうの台北中心部だけ見ていると,なんだあんまり日本と変わらない……という感じがするけど,やっぱりお国柄がもろに出ているのは,こういう下町なのである。
竹中 俊
Takechang の冗談半分 #322 | 93/ 2/24 21:17 |