Takechang の冗談半分 #467 | 93/11/14 14: 5 |
現在,ロサンゼルスからラスベガスにいく途中,Interstates Highway15号ぞいにあるBarstowという小さい町のモーテルに泊まっている。
僕の飛行機は成田発が2時間半遅れ,結局到着時点ではますます遅れが大きくなって 3時間遅れてロサンゼルス空港に到着した。
このために,イミグレイションは香港からや韓国からの飛行機と重なってひどい混雑となった。
で,せっかくバゲッジクレイムを通らずにすむようにすべて手持ち,申告なしなのにもかかわらず,ここを通るのに1時間以上もかかった。
Alamo Rent-A-Carアラモのレンタカーオフィスについたのはもう3時だった。ほんとに「あら,もう!」である。
ここのカウンターで僕を担当したのはインド系とおぼしき,カーン氏。一応順調に予約をやっていたのだけど,「どこ行くの?」というから,「ラスベガスへ」というと,彼の態度がちょっと改まった。
「あんたの予約したのはサブコンパクトだけど,こんなのは街の足だよ。アメリカじゃあ,こんなので砂漠に行こうって人はいないさ。悪い事はいわないから,もう1ランクあげて,コンパクトにしなさい。こんなので,砂漠でオーバーヒートでもしたら,どうする。それにコンパクトクラスならトランクがついているからセキュリティ上も,こっちのほうが安心だ(荷物が見えていると,ガラスを割って持っていかれてしまう)」という。
彼の感じはまんざら商売だけで言っているのでもなさそうである。日本じゃあ,北海道から九州までだって,もっと小さい軽自動車でいく人がいるけど,まあ,砂漠はないしなあ……。
少し迷っていると,「あんた,初めてドライビングするんだろ。ちょっとぐらい高くても,そのほうがいいって」とさらにいわれた。
ま,確かにここで$10ぐらいケチったおかげで,重大事故にあったとき脱出できるかどうか違ったりしたらバカバカしい。
よし,ということで,ランクアップ決定。車種はサンバードの2ドアセダンにした。日本でいえばシルビアかトレノのOHCモデルといったところか。普通,女性用といった感じの車だ。
予約していたGMのメトロは確かにアメリカ軽で,ロスの市内ではまあまあみかけたけれど,インターステート・ハイウエイではほんとにみかけなかった。日本でいえば,買い物の足用のTodayとかっていう感じなのだろう(いや,スズキだからアルトかな)。
さて,左ハンドル車を運転するのは僕はこれがまったくの初めてである。アラモの営業所を出てからしばらく「右,右」と唱えながら市内の道を走って405号サンディエゴハイウエイに乗った。なんとか無事。
ハイウエイに乗ってしまえば,あとは安泰だ。405 → 10 → 15の乗り換えを間違わないように注意しさえすれば,片側5車線の道路である。
3時に出たので,ぎりぎりロス市内をラッシュの前にぬけられたらしく,ところどころで流れが悪くなったほか,特に何という事もなく15号に乗る事ができた。
ここまで来てしまえばあとラスベガスへは1直線である。すこし気がらくになったら,ちょっと疲れが出て来たのと,San Bernardinoで15号に乗り換えたあたりから,段々日が傾いて,ライトを点灯した車がどんどん増えてくる(カリフォルニアでは,日没30分前から点灯しなくてはいけない)。
ラスベガスまではまだ200マイル(1マイル=1.6km)もあるから,「とても今日つくのは難しいが,できるだけ先に進めておきたい」と思ったのだが,だんだん,本物の砂漠になってくるわ,当然人家はとだえてくるわ……こりゃたしかにレンタカー会社の人が言うように,こんなところで夜中にぶっこわれでもしたら,どうなるかわかったもんじゃない。
真っ暗になったころ,「どこでもいいから次に町があったら,そこで泊まる」と決めた。決めたはいいが,これがまたずーっとモハベ砂漠があるだけ。
ようやく1時間ぐらいして,Barstowについた。
Barstow, CA去年,アムトラックで来た時に初めて停車した町である。あまり大きそうな町ではないが,それでもハイウエイぞいにINNの看板やら,McDonald'sやらケンタッキーやらの看板があるから,なんとかなるだろう,とハイウエイを降りてみた。
実際は,どうも人のすんでいるところはハイウエイから少し離れているようで,降りた下はガソリンスタンド,モーテル,レストラン,トラックヤード(トラックを洗ったり,水や燃料の補給,あと食堂もある。どうも,アメリカのハイウエイは日本のようなサービスエリアがハイウエイにはなく,降りたところに民間のそういった施設がある,という事らしい。まあ,タダだから,いくら乗り降りしてもどうということはない)といったものぐらいで,本当に砂漠のなかにその一角だけぽつんとオアシスがあるような感じである。
モーテルはこの中に1軒しかなく,入ってみると3階だての結構大きい建物だが,車は3〜4台しか来ていない。
事務所には,なんとなくちょっと頼りなさそうな若い男と,これはやり手そうな中年オバサンが座っている。
「今晩泊まりたいんだけど……」というと,オバサンが「何人?」,「1人」ということであっさりOKがでる。
あと,若い男が事務処理をしたが,日本人なんてめったにこないらしく,モーテル特有の車種だとかナンバー,運転免許番号など,いちいち「ヘイ,マリア,どうしたらいいんだよー。やってよお,オラわかんねーだよ」とわめきながらやっている。いちいちオバサンが助け船を出しにいく。
なんとか,処理を終わって支払い。1泊$31.45だという。「電話使える?」と聞いたら,「電話を使うなら,デポジット$10」ということでしめて$41.45とられた。
部屋はダブルベッドが入っているが,十分このベッド2つが入る大きさがある。
ほんとに素泊まりだけって感じで,食べ物飲み物は何もないし,ハブラシとかもまったくない。でも,結構清潔で掃除も行き届いているし,お湯もきちんと出る。
エアコンもちゃんとついている。「これで$31なら悪くないな」と思ったのだが,いつもの通り?電話でつまづいた。
みかけはヒルトンとかで使っているのとそっくりな電話だが,モジュラジャックが出ていない。まあ,それは予想していたのでカプラは持って来たのだが,ロングディスタンスの掛けかたで81+Area code+Numberとなっているから,81,,702-XXX……とやってみるが(アメリカはどこでもトーンなので,カプラでもオートダイヤルできるからあまり問題が無い),なんだか「109番に電話しろ……」とかテープの声が言ってくるだけ。
しょうがないので,オフィスに聞きにいったら(僕の部屋はオフィスのすぐ隣),頼りなさそうなあんちゃんが,「あ,それね,テープの声がなんか言ってるでしょ。そんときは,8をダイヤルしてトーンが戻ったら次に相手の番号の頭に1を付けてやってみてくれる?」と教えてくれた。
で,なんとかアップロードできることになったという次第。
明日は,昼ぐらいまでにはラスベガスに着く予定なので,今日はここまで。
竹中 俊
Takechang の冗談半分 #467 | 93/11/14 14: 5 |