Takechang の冗談半分 #513 | 94/ 3/ 7 22: 5 |
こういう時必ず出るのがあの,有名なコピー「ベータマックスは無くなるの?」式のやつである。今回は昨晩NHK TVで行われた番組がまさに「ハイビジョン(MUSE方式の)は無くなるの?」であった。盛んに「我々は,ベータマックスをあきらめない」と訴えた名コピー以降,ベータの衰退は決定的となり,結局,コピーの通り,そしてベータは無くなった,のであるが以来?いろんな技術の衰退の節目節目でこれの類似コピーを目にするようになった。
この番組の論調そのものからしてすでに,「究極的にいいのはデジタルシステムだ」ということだ。むしろ,「え,NHKがこんなこといってていいの?」というぐらい,デジタルがいいことを認めてしまっている。
で,例によって「但し」である。
これはこの番組全体がエンドユーザにむけた「MUSE方式は無くなるの?」という体裁で作られている事からみると,かなり違和感のある事である。
しかし,山根さんと大島さんの発言のシーンは何度もなんどもでてくる。それだけ,重要な内容であるということなのであろう。
ということはエンドユーザむけの体裁を取りながら,実はお役所にむけて,あるいは業界に向けてのメッセージがこの番組なのだ,と受け取れた。
これを見てもやっぱり日本ではエンドユーザというものはなめられているものだなあ,という思いを強くした。業界じゃない人の利益やなんぞというものは,まったく問題にもされないわけだ。
昨晩はチャンネルを変えて,2回連続でこの番組が流れるという,ちょっとふつうでは考えられない番組体制でもあった。NHKがMUSE方式のハイビジョンにいかに危機感をもっているか,そして死守しようとしているかの証拠である。
ではあるが,とにかくいままで育てて来た技術を守ることに必死で,「今のハイビジョンがいい悪いを越えたところにあると思う」なんて言わせてしまうのは恐ろしいことである。ほんとにこんな体制で日本は大丈夫なんだろうか。
これからまだまだ面白い?状況がありそうな,「日本固有技術」ハイビジョンのお話である。
竹中 俊
Takechang の冗談半分 #513 | 94/ 3/ 7 22: 5 |