Takechang の冗談半分 #587 | 94/ 8/25 23: 6 |
(なぜだか16番が欠番になってしまったが,このまま続けます。)
FTPサイトにいくつかインデックスのメールを出してまっていたのだが,返事のメールがえられなかった。これはドウシタモンダ,と思ったら,たとえばserver@iij.ad.jpとかってのを, server@iij.ac.jpとかって書いていたりして,Host unkown. などと言われてしまったりしていた。
インターネットのIPアドレスってのはやたら長いし,たとえまちがったアドレスだったとしても,その場で「おかけになった電話番号は……」みたいに知らせてはもらえないから,わりかし頻繁にアクセスしてチェックしないといけない。
おまけに加入するつもりのWINからはまだ案内もこないので,実際にインターネットを使い始めることも当分ダメそうである。
PC-VANからインターネット経由でWINに送ったメールに対する返事というものは来ているのだから,受付されていないわけでもないのだろうが,お金の支払やなんかのことはメールじゃあ済まない現状では,ネットワークの部分だけが早く動いても,全体としての現実がなかなか進まないのである。
アメリカ通販でものを買う場合,FAXでVISAカードの番号を書いて,署名して$いくら払うからね,なんてやって,それでおしまいなのだから,ネットワークでだってこの方式でもよさそうな感じもするのだけど,どうもネットワークの信頼感というのは一般にFAX以下なのだろう。
もっとも,そのFAXだって危ないといえば結構危ない。以前僕の経験でこんなことがある。
地方のホテルに滞在する人にあてて仕事上のFAXを送ったことがあった。まちがい電話ならたいがい音声とまちがうだろうし,相手がFAXだったからまちがいあるまい,とFAXがつながったことで安心して,このときは結構機密の文書まで延々10枚ほども送ってしまった。
ところが,これが後でよく考えてみると数番違いの番号で,よそのFAXだったのだ。
電話番号とか名称とかが表示されるサービスは,相手が番号登録などをしていなければ,送った側からはわからないのである。
このときは,相手はなんだか酒屋さんだったらしい。たまたま,ホテル側が受信に失敗した場合を考えてこっちの音声電話番号を書いておいたので,電話がかかってきた。
りんりんりん。「はい,YY。」「あのー,こちらXX市のAA酒店ともうしますけどお。さっきから,オタクからFAXがいっぱい送られてんですけどね,ウチはBBホテルじゃありませんからね。」
昔のようにFAXがあんまり普及していなければこういうことはめったにないと思うけど,いまは個人の家でも結構FAXが普及しているから,比較的あるかもしれない。
逆にまちがって送る可能性という意味ではインターネットのIPアドレスのほうが信頼性があるように思う。
あれだけ長ければ,1文字まちがえたらそのIPアドレスが存在した,という可能性はあんまりないような気がするのだが。ただ,僕がアーカイブサーバのIPアドレスをまちがって送ったように,まちがいで届かない可能性は大きいかも。だから,FAXと現状のインターネットメールを比べても,どっちがより信頼感があるとはいえない。
それでも,FAXの署名は実際の支払状として機能するが,ネットワークはそういう域にいたってないのが現状なのである。
このあたりは,まちがって送る可能性ということよりも,どこの経路を通っていくかわからないのだから,誰がどこで見ているかわからない薄気味の悪さとか,メールの着信確認の例のように確実にいつ届くのか保証がないとかのことのほうが,大きい要素なのかもしれない。
だから,いまのインターネットでは確実さを要求するようなビジネスには向かない。こういう点ではPC-VANなど1つの大きい閉じたネットワークのなかの方が,セキュリティはしっかりしているが,それでも「大事な用件は電話や会って直接話す」人が多い。このあたり,ボランティア方式で発展してきたインターネットの限界とか,弱点とかが見えているような気がするし,インターネットに限らず,まだ電子メールというものが完全に市民権を得ているわけではない証拠なのだろうと思う。
竹中 俊
Takechang の冗談半分 #587 | 94/ 8/25 23: 6 |