Takechang の冗談半分 #073 | 92/ 6/ 8 22:14 |
(環境問題かどうかホントは良く分からない。)
土曜日夜7時のNHKニュースを見ていたら,日本の出生率減少傾向に歯止めがかかった,と報じていた。20〜34歳の女性人口が昨年より17万人増えたことなどによるものだと言うことだ。一方,一人の女性が一生に産む子どもの数(特殊出生率)の平均値は1.53人となって過去最低を記録した。
この傾向が続けば,日本の人口はますます増えるわけだが(出生数よりも死ぬ人が少ないため,人口はずっと増加傾向である。ただし,1億人にたいして増率は年40万人だから,0.4%で,かなり少ないのであるが),はたしてこれはいいことかどうか,これが今日のナヤミなのである。
多分,国力というもののベースにあるものとして,人口というのも大きな要素であろう。また,死ぬ人が減って,みんな長生きし,そのくせ新しく産まれてくるのは少ないというのは,老人国家化するということである。
現状だと2000年までに老人(65歳以上)の人口が子ども(15歳未満)を上回る見込みだそうである。
このままだと,よく言われているように,一人の若者の収入で3人の老人を支える,ような状態になってしまう。
そういう意味では,出生数増は「いいこと」なのであろう。
だけども。人間も地球上に生きている大型獣である,という観点から見るとどうであろうか。現在54億人(この見方からは匹のがいいかも)以上生息する。
あの,空が暗くなるといわれたリョコウバトだって数億羽だったといわれる。
こんな巨大動物が100億も生息する状態などというのは過去にはなかったことだろう。
日本は人口動態ではかなり停滞しているが,いわゆる発展途上国では年率10%かそれ以上といった勢いで増えるところもたくさんある。
で,地球は明らかに有限である。そういう意味からは出生数増は「こまったこと」である。
輸送や,経済のアンバランスという問題もあるが,現状でも世界の半分は飢えに苦しむところから考えると,2倍というのはとても想像を絶する。どうして生きて行くのだろうか。行けるのだろうか。
マクロに考えると,以上は確かなことで,それも,多分ここ数十年,ひょっとするとぼくらが生きている間に起きる事かも知れない。
何をしなくてはいけないか,というと,個体数の抑制だ。
既に生まれているひとを殺す(動物なら間引く)ことはできないし,昔の日本のシステムのような,うば捨て山方式も容認されない。あまり,天敵もない(エイズがまさに現代人に取っては天敵であって,地球保全のシステムである,という見方もある)。ならば,出生数をへらしていくしかない。あるいは,難民は救済しないとか。
でも,ミクロ的に言って,そんなことができるだろうか。
普通の夫婦ならば子どもが生まれることは歓迎するであろうし,動物的な本能としてそれが普通ではないだろうか。
65歳を過ぎたら,みなソイレントグリーンにしてしまう,できない。目の前で死にかかっている腹水のたまった子どもを見過ごしに出来るだろうか,できない。
生まれすぎた子ネコを間引くことはできても,人間にはそれはできないのだ。
(まあ,最近は子ネコもだめな人も多いけど。)
あと,マクロで言って,そうだ,と思っても物事が自分に近い順に保守主義になるってこともある。
大国の論理が押しつぶそうとしている地球サミットなどはどうもそんな感じである。
ただ,別の見方として,オゾン破壊も,エイズも,熱帯雨林やタイガの破壊も,結局は人類の滅亡の時期を変える(早める)だけだ,種は必ず滅亡する,それも繁栄したものほど,あがいてみてもしょうがないんじゃないの,というのもある。
そんな人間のエゴに他の種を付き合わせていいのか,ということもある。だけどこれまた,地球の歴史からみれば些細なことなのかもしれない。いつか,遠い宇宙のかなたで……といった目からすれば。
(タイトルが「冗談半分」に変わった日にしては,マジなテーマすぎたでしょうか。)
TAKECHANG
Takechang の冗談半分 #073 | 92/ 6/ 8 22:14 |