Takechang の冗談半分 #078 | 92/ 6/14 20:12 |
すでに2ロット製造したので,気分は完ぺきにジャムおじさんである。
今回は,食パンマン仕様のイギリスパン(これはたぶん単なる日本語だろう。ホントはなんていうんだろうか)を作ってみる。
まず,材料である。
ミルク380cc,強力粉600g,ドライイースト13g,砂糖60g,塩10g,バタ40g(いわゆる2斤という量,袋入りのパン2袋ぶん相当)。
これはお料理本の指定そのものなのだが,最終製品仕様に合わせて,こまかく配合比が異なるところが,芸コマである。
品目そのものはロールパンとまったく同じであるが。
このあたりの所は本来は職人技で,いろいろなトライアルのあげく開発していくものなのだろうし,焼くときや発酵する時の状態などもそういうもののハズ。
ところが,電子オーブンレンジの場合は,日本人お得意のマニュアル化がなされており,材料は指定どおりにすると,ぴたと決まる。とくに小麦粉と水またはミルクの配合比などは,食品など……と侮っていたけど非常に微妙であり,5gずれると固まってしまってきちんとかくはんされないぐらいのものだ。すごく,シビアなところをきちんと指定してある。
材料比以上にむずかしいと思われる,発酵調整や,焼成に関しては,機械装置に判定条件を組み込むことにより,だれでも最終製品規格に合うものができるようになっている。
これはまるっきり,日本の工業製品製造ノウハウのご家庭版である。
たしかに,私のごとき単なるおっさんでもパンが焼ける,そのことはいいのだけど,こればっかでいいのかなあ,ってよけいな心配をしてしまう。
ノウハウを作れるヒトがなくなっちまわないかなあ,なんて。
このあたりを企業も考えていて,ホンダの栃木工場,つまりNSXの工場は手作り工場である。ロボットを使わないで,熟練工が部品を組み付けていく。
塗装も,もろに作業のウマイ,ヘタが見えてしまう手動スプレーだ。このようにして意識的に熟練工を作らないと,いまや放置していたら,どんどん手作業のできる人間はいなくなってしまう,というわけなのである。
それには大量生産車のラインではコストがかかりすぎ,超高価スポーツカーNSXが適当,というものなのだろう。
そして,昨年まではNSXはよく売れて,生産体制を交代制にして対処するぐらいでこの一石二鳥の話はうまく行っていたのである。
ところが,バブルが飛んでしまったので,様子がかわった。高価車NSXはさっぱり売れないのである。ということで,いま,栃木工場のヒトは,ブッシュ来日のおりに拡販を約束したクライスラーの4WDチェロキーの整備などをやっているそうである。
なかなかむずかしい。ついでに,カメラのライカ社もいよいよ超高価手作り製品ではやっていけなくなって売りにでてしまったらしい。
超高級スポーツカーのポルシェも同じ。たしかに,大量生産の価格1/3の車が性能の85%は出せるのだから,のこりの15%を認めてもらう商売はむずかしい。
安くていい物をいっぱい売っちゃイカンと言っても,やっぱり買う立場としたら,それがいいのだから。
さて,肝心のぼくのパンであるが……昨日のノウハウを基に,発酵時間を20%延ばしてみた(本来,大量生産工程においては,こういう言われたことのできない工員はラクダイ野郎である)。
結果,当然巨大に膨らんでレンジの天井まであと5mmを残すところまでいった。
でも試食の評価はやっぱり良かった。あーよかった。
っと,恒例F1を忘れるとこだった。今回,カナダのジル・ビルニューブサーキット。
(余談だが,サーキットに名前を残す,若くして亡くなったフェラーリレーサーの息子は,今日本でレースを行っている。)
今回は決勝は14日14:00から,時差13時間なので日本では15日あさ3時だ(テレビは朝6時から放送)。
セナが今期発のポールポジションをとったのと,片山右京は大健闘11番手。亜久里は予選落ちしてしまった。
TAKECHANG
Takechang の冗談半分 #078 | 92/ 6/14 20:12 |