Takechang の冗談半分 #302 | 93/ 2/18 18: 6 |
NISCAのSPECTRAというスキャナであるが,やっぱりCOMPUTER SHOPPERのスキャナ特集に出ていた。
アメリカ価格は$995(定価),売値は$585くらい。
日本価格は売値でだいたい6万円ぐらいだから,めずらしく?原産地日本のほうが安いようだ。
A6というサイズのベッド型スキャナはちょっとすきま商品的なものらしく,これ以外というとA4サイズになってぐっと高くなってしまう。
たぶん,A6では画像専用になってしまい,OCR(印刷物をスキャナーを使って読み込む)用途にはやっぱりA4が必要だからだろう。
そのほかで小型のヤツ,ハンドスキャナの1600万色仕様というと,Mustek Colorというのがある($429)。
ただ,ハンドスキャナの場合人手で動かすわけだから,どうしてもスキャン速度や方向がキチンとしないきらいがある。
やっぱり,ベッド型がよさそうだ。A4か,それともA6か?
約2日悩んだのであるが,あまり考えてもしょうがないので(知人で5万円の自転車を買うのに3年悩んだという人がいる。購入後,1500円のドロヨケを付けるかどうかでまた1カ月悩んでいた。そのくせ,250万円のツーリングワゴンはほとんど瞬間で買ってしまったのだから,ワケが分からない),サイフから出る限度を優先してSPECTRAに決めた。
何件か問い合わせたが,結局はネダン優先で例の市川の通販店ステップで購入することにした。
Mac用を改造してISAマシンで使うことにする。
さて,この前1600フィルムテストに大鹿村に出かけたと書いたのだが,実はまだ現像に出してなかった。
フィルムが余っているので,まだもったいなくて現像に出せず(このあたりが,ビンボ性なのだ),昨日,またまたトンキラ農園に出かけてみた。
トンキラ農園冷たい雨がばじゃばしゃと降る中,「これではお客なんてぜんぜんいないのでは?」と行ってみると,これがいるんだ,やたらと。
農政局のエライサンかなんかが視察にやってきており,村長一行が大名行列していたのである。
そのほか,地元新聞の記者(このひとは特に役人とは関わりなく,定期的に訪れているらしい)も来ていた。
お役人軍団の中でいささか場違いな感じだったので,新聞記者氏と僕は工房のほうに避難,コーヒーサービスなんかを手伝ったりしていた。
お役人が帰った後,今日は松本さんにPC-VANで始まった「ふるさと情報」の件でPC-VANのデモ?をすると約束していたので,286NOTE Fを取り出して,説明を始めた。
なんだか,地元紙記者氏のほうが熱心で,朝日新聞ニュースだとか,日経新聞ニュースを見たがった。
日本では,新聞は宅配で成り立っているわけだが,新聞宅配というのは典型的3K職種なために,最近なり手が少ないのだそうだ。
しかし,アメリカなどのようにスタンド売り専門では確実に部数が激減してしまうという。
で,なんとかしないとそのうち地元紙にも危機が……と思っていたのだそうだ。「いやー,初めて見ました。いいですねえ」と彼は言った。
地元紙記者も初めて見た? そんな程度の普及率ということなのだろうか。
(それにしては,お役人について歩いていた役場の人は「あー,地元にもXXネットってのがあって……」と話したそうにしていた。お役人が帰るというので「おなーりいい」……あれ,これは来るときかな?……というわけでついて行ってしまったが。)
まあとにかく,問われるままにDOS/Vのこと,Macの事などを話すハメになってしまった。やっぱり,記者としては先方が上手?
その後,隣のトンキラ食堂?でおばさんたちがミソの仕込をやっているというので,地元紙記者といっしょに取材に。
おばさんたちも取材なれ?してるのか,「工場のミソは一か月で仕上げるが,ここのは一年寝かすのがミソ」などとPRもうまいものだ。
蒸した大豆を挽き肉機か,モチツキ機ですりつぶし,塩と麹を加えるというのがだいたいの工程。やっていたのは,このうち挽き肉機で豆をすりつぶす工程だった。
地元紙記者と交代で挽き肉機のハンドルを回す役をやってみたが,結構重たい。5分や10分ならどうということはないが,これが延々半日続くのでけっこうな重労働なのだ。
これをおばさん軍団は交代でずっとやっているのである。
ここのシーンを,僕は1600のフィルムでノーストロボで撮った。
地元紙記者はどんな機材を使っているのか? というとカメラはNikon F801かなんかで,レンズも標準でついてくる28-80mm f3.5-4.5ぐらいのやつ。
僕とたいして変わらない装備だ。ただ,ストロボは明るい大型の外部ストロボを使っていた。
一般的には,明るいストロボ装備は正解だと思う。
内蔵のかぼそい光では逆光補償か2〜3m以内しか効果がない。それにこれなら,100とか400のフィルムが使えるわけである。
ちなみに,今日ISO1600のカラーフィルムの入手性はどうか? ということで,近所の写真屋にかたっぱしから聞いてみたが,5軒中持っていたのは1軒だけ,ただしフジの36枚撮りのみという状態だった。
当然,セブンイレブンとかには置いてないし,今後このフィルムを使うなら,いつもの写真屋に注文しておかないとダメそうだ。
X線防護ケースは昨日届いた。間に合うかどうか?と言っていたが,これでOK。
地元紙記者氏はこれで,「次の取材があるので……」と去った。
僕はまた工房ほだびへ。
こんどはさっきから来ていたスキー場のスノーマシンのオペレータ「ナンちゃん」とお相手だ。
ナンちゃんというのは,お笑いコンビから取ったわけではなくて,この人がインドで修行していた時にもらった「ナンダン」という名前からきたものだ。
東北生まれでぽつりぽつりと話すナンちゃんとの対話はなかなか進まない。
それでも,なんとスキー場出稼ぎに来てないときの住所は僕の丹沢のアパートのすぐそばだということが分かった。なんか,妙な縁?があるみたい。
「こんど,丹沢のXX屋で飲もう」などという話になってしまった。
そのうち,ミエさんという保険外交員と称する?若い女性がやってきた。このひとも結構常連らしい。
ナンちゃんがポツリと「酒でもあるといいんだが……」というと,「あ,車の中にあるよ」とミエさん。マスミの吟醸酒だという。
これですっかりナンちゃんができてしまった。話がなめらかになる。ナンちゃん,ミエさん,僕に松本さんも加わって宴会になってしまった。
盛んに勧められるが,なにせ50kmちかく車で帰ってこなくてはならない。
ナンちゃんの話がだんだん分かりやすくなってきたし?未練はあったのだが,外が暗くなってきたのを潮時に,トンキラを後にした。
さて,今日現像に出したら,すぐに出来てきた。ISO1600でも,要するにネガならば1時間現像のところでOKなようだ。
室内の1600は,確かに荒れはめだつものの,まあ大丈夫。スキャナでは荒れははっきりしないだろう。
このままスキャナにかければ,すっかりできあがったナンちゃんのようすが分かると思う。
トンキラでミソを作るおばさんたちもしっかり写っている。ただ,暗くてマニュアルフォーカスにしたのはいくつかピントを外している。やっぱりちょっと扱いにくいがメガネがいるかな。
一方,昼間の景色のほうはあまりよろしくないようだ。ISO400のほうでは,南アルプスの山が幾重にも折り重なって主峰の赤石岳に連なる奥行きが出ているが,1600のほうではぐっと絞り込まれてしまうので,ほぼパンフォーカスで,まったく奥行きの感じられない写真になっている。
やっぱりケースによってフィルムも使い分けがいるようだ。
竹中 俊
Takechang の冗談半分 #302 | 93/ 2/18 18: 6 |