Takechang の冗談半分 #406  93/ 7/ 4 23:13

プータロー日記 37>
著作権

そのまえに,昨日も朝日新聞が肖像権問題を扱っていた。「被告席のメディア」という毎週土曜日に掲載される記事である。

この前も少し触れたが,ここで扱っている内容はロス疑惑の三浦被告の護送中の写真をフォーカスが勝手に掲載した事に対する裁判で,東京地裁は「フォーカス側の肖像権侵害は明らか」とした。

そのうえで,免責にあたるかについての判断で,「拘留中の被告の現況を伝えるものにすぎず,公衆が関心を持っていた刑事裁判のゆくえとは関連がないから,肖像権は制限されない」とした。新潮社はこの判決を不服として控訴している。

結論としては,この問題については,社会的な議論や司法判断はまだまだ不十分とみている,ということで,この前の記事と同じトーンである。

さて,次に本題の著作権のほうに入ろう。

日本カメラ社のシリーズ日本カメラ「写真なんでもQ&A」によれば,写真に関する著作権の成立は文芸作品に比べて非常に遅く,日本写真家協会の努力により,昭和43年に発表後10年の間,作者に著作権が得られるとした。

その後,段階的に確立のステップが上がって,12年,13年,20年という経過を経て,昭和46年から公表後50年となり,現在に至っている。

したがって当初のもの(注:昭和46年以前の作品)については,すでに著作権が消滅している作品も多いわけである。
(注:本書の初版は1989年なので,一部,著作権の残っているものがあった。現在1993年においては,昭和46年以前の作品の著作権はすべて失効している。)

これを文芸作品と比較してみると,文芸作品では作者の死後50年であるが,写真では作品発表後50年であることから,権利期間の格差がある。

日本写真家協会では,写真の著作権について,文芸作品と同じになるように目下努力している。
(一部,文章変更,省略あり)

ということで,いままで調べたうちで,この問題について一番詳しかった,シリーズ日本カメラから引用した。

以上から現在,写真の著作権は発表後50年である。僕らのGVM9の写真はどうなるであろうか。

発表=公衆に対して開示した,という意味から,発表とはムーブされて以降をいうことになろうと思う。

その前に,電子写真のJPEG圧縮という方法を使っていることから,データ → ソフトウエアの一部という考え方もあるかもしれないが,ここでは,これは「写真」であるという解釈にたつことにする(その方が権利期間が短いゆえ,より厳密な解釈であると思われるため)。

このことについて現在僕がどのように対処しているか,であるが,これは以前も書いた事があるが,当初よりJPEGのコメントエリアに以下の表示を入れている。

日付(EX,1993.7.4) GLOBAL VILLAGE TAKECHANG

要するに,開示した日付と所属,作者名を明らかにしているわけである。

もちろん,これらの写真について著作権をタテに料金をとったりということは考えておらず,自由に閲覧していただきたい(PC-VANのアクセス料は僕には無関係である)。

しかし,常識的でない使用方法については著作権に基づきクレームをつける権利を留保している。常識的でないというのは,例えば断わりなく営利目的のプリントに使用するとか,他人が自作であるとしてよそに発表するとか,断わりなくデフォルメしたもの等を発表したりといったことなどである(もちろん,これは例なので,以上の3項目に限定するものではない)。

なお,同様の目的により,途中から表示を改めている。

現在の表示は,

1)コメントエリアの表示
日付(EX,1993.7.4) GLOBAL VILLAGE TAKECHANG (C)1993 S.TAKENAKA
2)画面上への表示
位置は詳しく決まっていないが,画面の4すみのどこかにGLOBAL VILLAGEと表示する。

このあたりの実際の表示については,なお流動的である。今後もいいと思われる方向に変更する可能性が大いにある。

例えば,文字は現在使用しているシステムが英語システムなので日本語の表示ができないが,日本語システムに変更されれば,日本語で表示するなどである。

ということで,今日は写真と著作権についてみてきたが,これも現在は非常に流動的で過渡期の状態にあるということがわかった。

竹中 俊

Takechang の冗談半分 #406  93/ 7/ 4 23:13