Takechang の冗談半分 #510 | 94/ 2/27 16:28 |
MACW Expoレポート最終稿。
今回,日本人にとってMacとは,「国民機」なのである,という「Mac国民機論」とでもいうべき?考えに達した。
とにかく,そうでもいわないと日本でのMacの「異常人気」は説明できないのではないかと思う。
このちょっと「囲い込まれ感」のあるところが,日本人受けする。たぶん,ジョブズのイメージが尾を引いているのだと思うが,なんとなく「IBM機を使う人よりMacのほうがインテリ度が高そう,でちょっとモロビジネスマンではなくちょっと斜に構えた感じがあっていいような気がする」とか,「Macのデザインが洗練されていていい」とか,「デザインやマルチメディアの仕事はMacでないと出来ない」などの「思いこみ」や「迷信」もMacにとっていい方に作用している状況なのだろうと思う。
かくて,いま「Macを持つ事」が一時のエルメスのバッグといった感じにフツーの人にとってのステイタスシンボル的なものになって来ているように思う。
いま,身の回りで聞くと,「Mac? あのかわいいヤツ?」とかいう答が返ってくる。さすがに98を知らない人はほとんどいなくなったが,TP220といっても分からない人はおおいのに,である。
かつて,パソコンというものがちょっとオタッキーな人が持つ物であった時代,国民機といえば98だったのが,いまMac。
登場の頃,あんなもの,とかオモチャとかいわれたMacがいまや日本の国民機とは時代がかわったものである。
ただ,それが日本以外の国とワンクッションおいて,そろそろMacという系(ハード,ソフトともに)が限界になろうとするころにやってきているところに,日本という国の状況が見えるようである。
あと,いままちがいなくMacをフツーの人に近づけているものはアダルトソフトの登場である。CD-ROMソフトと書こうとおもったけど,どうもただのCD-ROMでなくてアダルトではないか,と思っている。
単なるCD-ROMゲームなんてものでは年に1回ぐらいネタ切れのときだけだしてくるような一般週刊誌その他が,しょっちゅうこれの特集をやるようになった。
関心度という意味でいうと,ここをアクセスしてきてくれる人たちの関心度もそういうことのようだ。
先日アップした画像のダウンロードカウントがクリスタル……のだけダントツに多いのに関心をもっている(なお,写真は,特にあたりさわりのない,茶の間でみれるシーンになっていますので,ねんのため)。
これも最近のスチル写真における「ヘアXXX」さわぎと同じたぐいで,とても日本に特徴的な現象である。この手のソフトばかり扱っている会社というのは昔からあって,もちろんCOMDEXにも僕が初めていったころからこういうソフトの出展はあった。当然,この前も結構いっぱいあった。
でも,それはその他大勢ソフトの1つ,という感じで,今回のMACW Expoを一般誌・紙が取り上げたネタ=トップ記事になるようなものではなかった。
さらには,COMDEX自体「16歳未満入場お断り」の展示会であるためもあるかもしれないが,今回の幕張のように,わざわざその一角を囲んで入場制限する,などということはない。
友人の言では,「見たくない人が見なくても済むように,隔離するのはいいと思う」という意見だったが,僕は,フツーに生きていれば必ず目につくものをわざわざこういうヒステリックな扱い方をすること(あるいはしなければならないこと)のほうが異常なことだと思う。
青少年条例ということだけど,これの発想はいわゆる3ない運動と同根なのだろう。とにかく,自分に責任がある間だけ問題を起こさなければ(あるいは,起こさないよう努力をしたという状況が作れれば)あとはどうでもいい,という日本のオトナたちの特徴的な考え方が見える。自分の責任さえまぬがれれば,というやり方はごく目先しか見ていない。
なんだか,話がMacからはなれて来るみたいだから,このへんでやめるが,今回の展示会でぼくが強く感じたことは結局Mac自体のことではなかった。
そういう「日本式」といわれるやりかたがものすごく目につくようになったなあ,ということだったのである。
これはもちろん,昔からあったことだけど,僕にでも分かるほど露骨になってきたという事なのか,僕が分かるようになってきたのか? 両方かもしれない。
竹中 俊
Takechang の冗談半分 #510 | 94/ 2/27 16:28 |